茶話(大正四年)(薄田斬雲)のあらすじ・登場人物
新聞コラムの名手・泣菫
- 文字数
- 1,153字
- 読了目安
- 約2分
- 表記
- 新字旧仮名
- 種別
- 随筆
この作品について
薄田泣菫が『大阪毎日新聞』に連載したコラム「茶話」の最初の年(1915年)の分。内外の人物や出来事の逸話を、短い文章に皮肉とユーモアを込めて語る。泣菫の随筆家としての名を決定づけた連載で、当時の読者に広く読まれた。
あらすじ
2月27日付の最初の回は、フランク・ハリスが戦争について語った皮肉を紹介する。ドイツ人は最後のドイツ人まで、ロシア人は最後のロシア人まで戦うだろうが、イギリス人は最後のフランス人まで戦うだろう、と。ここから、毎回短い逸話と風刺で社会を眺める連載が始まる。最後の回は、選挙違反で議員候補者らが次々に有罪になるのを、夫婦喧嘩の絶えない腹ぺこの裁判官が多いせいだろう、と冗談で結ぶ。
冒頭部(原文より)
茶話2・27 フランク・ハリスと云へば聞えた英国の文芸家だが、(ハリスを英人だと言へば或は憤り出すかも知れない、生れは愛蘭で今は亜米利加にゐるが、自分では巴里人の積りでゐるらしいから)今度の戦争について、持前の皮肉な調子で、「独逸は屹度最後の独逸人となるまで戦ふだらう、露西亜人もまた最後の露西亜人となるまで戦ふだらうが、唯英吉利人は――さうさ、英吉利人は最後の仏蘭西人がといふところまでは行るに相違ない」と言つてゐる。流石にハリスで、よく英吉利人を視てゐる。
「茶話(大正四年)」薄田斬雲(青空文庫)
末尾部(原文より)
デイケンスは『ぴくゐつく・ぺえぱあす』のなかで、「被告の身にとつては人の好い、福々した、朝餐を甘く食べた裁判官に出会すといふ事が大切だが、原告になつてみると、平常も不満足たらしい、腹の減つた裁判官を見つけるやうにしなくてはならない」と言つた。この頃議員候補者や、その運動者がぴし/\引張られてゐるが、皆有罪の判決を受けてゐる所を見ると、可憎と腹の減つた、家では夫婦喧嘩の絶間が無い裁判官が多いと見える。
「茶話(大正四年)」薄田斬雲(青空文庫)
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