白羊宮(薄田斬雲)のあらすじ・登場人物
古雅な調べの浪漫詩集
- 文字数
- 18,582字
- 読了目安
- 約37分
- 表記
- 旧字旧仮名
この作品について
薄田泣菫の第三詩集。1906年(明治39)5月刊。古典語を駆使した重厚な文語詩で、「ああ大和にしあらましかば」などで知られる。巻頭の「わがゆく海」を始め、象徴的な語彙と古雅なリズムで、神話や古代への憧れ、人生への不安を歌う。蒲原有明とともに、明治浪漫詩の頂点と評される。
あらすじ
献辞は後藤寅之助にささげられる。巻頭の「わがゆく海」は、「わがゆくかたは、月明りさし入るなべに」と始まり、静寂と沈黙の森、休息と宴会の場ではなく、自分の行く道は別にあると、行方を言い立てる。以後、古語や神話の語を混ぜた詩が続く。末尾近くの一篇は、鳥のさとしを聞きながらも納得できず野の路を別れる心境を、「さつさ、いよこの」の囃子詞を添えた民謡調で歌い、「白羊宮 畢」で閉じる。
冒頭部(原文より)
この書を後藤寅之助氏にささぐ わがゆく海 わがゆくかたは、月明りさし入るなべに、 さはら木は腕だるげに伏し沈み、 赤目柏はしのび音に葉ぞ泣きそぼち、 石楠花は息づく深山、――『寂靜』と、 『沈默』のあぐむ森ならじ。 わがゆくかたは、野胡桃の實は笑みこぼれ、
「白羊宮」薄田斬雲(青空文庫)
末尾部(原文より)
二〇 鳥のさとしは然りながら、 なほ下心どこやらに、 うけひき難い心地して、 今は別れた、野の路を。 さつさ、いよこの、 かつら女。 白羊宮 畢
「白羊宮」薄田斬雲(青空文庫)
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