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一寸怪(泉鏡花)のあらすじ・登場人物

理由のない怪談を語る

泉鏡花 1909年(明治42年)

文字数
3,256字
読了目安
約7分
表記
新字新仮名
種別
随筆

この作品について

怪談の語り手としても知られる鏡花が、自身の怪談観と実体験・聞き書きを語った小品。底本の親本は1909年(明治42年)刊の怪談集『怪談会』である。怪談を「理由のあるもの」と「理由のないもの」に分け、後者を魔や天狗の仕業とみる考えを述べ、逗子での出来事や静岡・房州・越前の不思議な話を紹介する。

あらすじ

鏡花は怪談を、因縁や怨霊の理由があるものと、天狗や魔の仕業のように理由のないものに分けられるとし、後者は北国に多く、別世界の連中が時々こちらへ顔を出すのだと考える。魔を試す方法として、四人で暗い座敷を回る「膝摩り」や、二人が本で畳を叩く「本叩き」を紹介する。逗子で暮らしていたとき、貸した手桶が消えたと思ったら家主の婆さんが黙って持ち去っていたという種明かしの話を例に挙げた後、理由のない怪談として、静岡の家で半年にわたり続いた物隠しや悪戯、房州の同様の話、越前の寺で貉を殺した日から火が出始めた話を語る。いずれの話にも十三四の少女がそばにいたことに触れ、「くだ」付きの家という呼び名を紹介して終える。

冒頭部(原文より)

 怪談の種類も色々あって、理由のある怪談と、理由のない怪談とに別けてみよう、理由のあるというのは、例えば、因縁談、怨霊などという方で。後のは、天狗、魔の仕業で、殆ど端睨すべからざるものを云う。これは北国辺に多くて、関東には少ない様に思われる。

「一寸怪」泉鏡花(青空文庫)

末尾部(原文より)

昔物語にはこんな家の事を「くだ」付き家と称して、恐わがっている。「くだ」というのは狐の様で狐にあらず、人が見たようで、見ないような一種の動物だそうだ。  猫の面で、犬の胴、狐の尻尾で、大さは鼬の如く、啼声鵺に似たりとしてある。追て可考。

「一寸怪」泉鏡花(青空文庫)

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