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ダルマ船日記(山之口貘)のあらすじ・登場人物

ダルマ船で過ごす貧乏詩人の日々

山之口貘 1937年(昭和12年)12月 「中央公論」

文字数
7,909字
読了目安
約16分
表記
新字新仮名
種別
随筆
舞台
  • 東京都

この作品について

山之口貘が、東京の運河に浮かぶ「ダルマ船」で居候のように暮らした日々を、日記体で綴った文章。船頭の六さんとの交流や、船の暮らしの細部が、貧しい生活を笑いに変える貘らしい調子で描かれる。『中央公論』に載った散文として知られる。

あらすじ

「×月×日 金」の体裁で始まる。目覚めると、隣に寝ていたはずの六さんはもう甲板で湯を沸かしている。船の名は水神丸、積載量百トンの、通称ダルマと呼ばれる型。年は三十五歳、生まれは深川で、老人のような風貌をしている。艫の三畳ほどの船室に船頭と「僕」が一緒に暮らし、押入や神棚があり、壁には六さんの外出着が掛けてある。居候の「僕」は寝坊をとがめられながらも、船の暮らしに馴染んでいく。夜、隣の宮下丸も寝静まり、六さんの鼾が聞こえ、起きているのは「僕」と水の音だけとなる。翌日の晩には六郷河岸で花火が上がるという。

冒頭部(原文より)

×月×日 金  眼を覚ましてみると、側に寝ていた筈の六さんの姿は見えなかった。  居候のくせに、なぜこうも寝坊するのであろうか。  桝のような船室から首を出して、甲板を見廻わすと、既に、七輪の薬罐が湯気を吹きあげていた。  この船の名は、水神丸。積載量百トン。型は、通称ダルマと言っている。年齢は、三十五歳。生れは深川。

「ダルマ船日記」山之口貘(青空文庫)

末尾部(原文より)

 もはや、お隣りの宮下丸は寝てしまったのか話声もきこえない。やがて、六さんが鼾をかき出した。魚達も寝たのであろう。起きているものは、僕と水の音。  明日の晩には、六郷河岸に花火があがるという。 (「中央公論」一九三七年一二月号)

「ダルマ船日記」山之口貘(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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