不軽菩薩(宮沢賢治)のあらすじ・登場人物
われ汝等を尊敬す
- 文字数
- 168字
- 読了目安
- 約1分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
法華経に説かれる常不軽菩薩を題材にした文語詩。誰に対しても軽んじず礼拝するという菩薩の姿を、七五調の短い四行連で描く。法華経に深く帰依した賢治の信仰が凝縮された作品で、後半の括弧書きの心の声が菩薩の内面を示す。『雨ニモマケズ』に通じる、他者を敬う態度の原点としても読まれる。
あらすじ
あらめの衣を身にまとって城から城をめぐり歩く菩薩は、慢心した四衆の人ごとに礼をなす。括弧書きの心の声が添えられる。自分は不軽、相手は慢、これは無明であるが、いまそこに開く法性を拝するのだと。続いて菩薩は唱える。私はあなたたちを尊敬する、決して軽んじないのは、あなたたちが仏になるからだ、と。再び括弧の声が現れ、ここには私もなく彼もない、ただ一乗の法界があるばかりで、その法界を拝するのだと結ぶ。人から嘲られ打たれても礼拝をやめない菩薩の静かな祈りが、短い詩の中に収められている。
冒頭部(原文より)
あらめの衣身にまとひ 城より城をへめぐりつ 上慢四衆の人ごとに 菩薩は礼をなしたまふ (われは不軽ぞかれは慢 こは無明なりしかもあれ いましも展く法性と 菩薩は礼をなし給ふ)
「不軽菩薩」宮沢賢治(青空文庫)
末尾部(原文より)
われ汝等を尊敬す 敢て軽賤なさざるは 汝等作仏せん故と 菩薩は礼をなし給ふ (こゝにわれなくかれもなし たゞ一乗の法界ぞ 法界をこそ拝すれと 菩薩は礼をなし給ふ)
「不軽菩薩」宮沢賢治(青空文庫)
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