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蝶を夢む(萩原朔太郎)のあらすじ・登場人物

青猫と月に吠えるの落穂集

萩原朔太郎 1923年(大正12年)7月

文字数
14,527字
読了目安
約29分
表記
旧字旧仮名

この作品について

1923年(大正12年)7月に新潮社から刊行された萩原朔太郎の拾遺詩集。『青猫』に入れ損ねた詩を集めた前篇と、『月に吠える』の拾遺にあたる後篇の二部からなる。序文で朔太郎は、巻頭の「蝶を夢む」など数篇は本来『青猫』に入れるはずだったと打ち明けている。二つの代表詩集のあいだを埋め、詩風の変化をたどる手がかりになる一冊。

あらすじ

「詩集の始に」で、収録する詩が六十篇であること、十六篇を除いて単行本として初めての新版であること、前篇は『青猫』の選にもれた詩、後篇は『月に吠える』の拾遺であることが説明される。題は巻頭の詩から取られた。「蝶を夢む」は、座敷のなかで厚ぼったい翼をひろげる蝶の姿を、白い寝床で目覚めている「わたし」が見つめ、夢の記憶をたどる詩である。夢は秋の夕べに沈む落日と、しぜんに腐ってゆく古い空家をめぐる悲しい物語で、夢のなかで「わたし」は幼な児のように泣いていた。前篇には「腕のある寝台」「灰色の道」などが続き、後篇には『月に吠える』期の簡潔な詩や散文詩風の断章が収められる。巻末近くには「Omega の瞳」「極光」といった短い散文詩的な章も見える。

冒頭部(原文より)

詩集の始に  この詩集には、詩六十篇を納めてある。内十六篇を除いて、他はすべて既刊詩集にないところの、單行本として始めての新版である。  この詩集は「前篇」と「後篇」の二部に別かれる。前篇は第二詩集「青猫」の選にもれた詩をあつめたもの、後篇は第一詩集「月に吠える」の拾遺と見るべきである。即ち前篇は比較的新しく後篇は最も舊作に屬する。

「蝶を夢む」萩原朔太郎(青空文庫)

末尾部(原文より)

死んでみたまへ、屍蝋の光る指先から、お前の靈がよろよろとして昇發する。その時お前は、ほんたうにおめがの青白い瞳を見ることができる。それがお前の、ほんたうの人格であつた。 ひとが猫のやうに見える。 極光 懺悔者の背後には美麗な極光がある。

「蝶を夢む」萩原朔太郎(青空文庫)

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