狂童女の恋(岡本かの子)のあらすじ・登場人物
酔った詩人が語る少女の話
- 文字数
- 3,894字
- 読了目安
- 約8分
- 表記
- 旧字旧仮名
- 種別
- 小説
この作品について
岡本かの子の短篇。酒に酔った詩人西原北春が、「きちがひの女の児に惚れられた話」を語る入れ子の形で、少女の狂気と、純粋なものへの憧れを描く。
あらすじ
詩人の西原北春氏が、泥酔の手前の酒の席で、「きちがひの女の児に惚れられた話をしませう」と話し始める。ある朝、母親に連れられた十四、五歳に見える少女が、西原氏のもとを訪れる。富家の子で、早熟な体つき、凄い美人になりそうな顔立ちだが、尖った顎や迫った額に不安を感じさせるところがある。少女は西原氏の顔をしげしげと見つめ、舞台の人形のようにうなずき、大人のようにゆっくり話し出す。話の結びでは、その少女はまもなく死に、思い出すたびに妙な気持ちになるのだと、西原氏が語る。
冒頭部(原文より)
――きちがひの女の兒に惚れられた話をしませう。 と詩人西原北春氏はこの詩人得意の「水花踊」などまだ始まらぬまだほんのほの/″\と酒の醉ひがまはりかけたばかりのところで――あれが始まるころはまつたく泥醉状態になつた西原氏なので――話し始めた。
「狂童女の恋」岡本かの子(青空文庫)
末尾部(原文より)
――その少女はそれから間もなく死にました。 わたしはその少女を思ひ出す度に、なつかしいやうな、癪にさはるやうな、可哀相なやうな、妙な氣持ちになつちまふのです。が、要するに、まあ、こんな話は酒でも呑んだ時でなければひとにははなし憎い話ですなあ。
「狂童女の恋」岡本かの子(青空文庫)
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