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明治文学の概観(田山花袋)のあらすじ・登場人物

明治文壇を同時代の目でたどる

田山花袋 1912年(大正元年)10月 「文章世界」

文字数
6,744字
読了目安
約13分
表記
新字旧仮名

この作品について

明治の文学を「飜案の時代、飜訳の時代」とみて、『小説神髄』以後の文体・観察・構造の急速な進歩、西洋作家の感化、民友社・硯友社・根岸派などの諸派、日清戦後の評論と詩歌の隆盛、日露戦後の硯友社の失墜までを五章でたどる。同時代を生きた田山花袋による、明治文壇の見取り図。

あらすじ

田山花袋が、明治の文学を五章で振り返った概観。第一章は、明治の文学は西洋の思想や様式を取り入れた翻案・翻訳の時代であり、そのために先へ進み過ぎ国民性から離れた面もあったが、模倣好きだからこそ短い間に文体・観察・構造が長足の進歩をしたと述べる。第二章は『浮雲』や民友社の功績、鴎外の翻訳が与えた知識と希望、紅葉の文体への苦心を挙げる。第三章は民友社と硯友社、根岸派、早稲田と千駄木などの諸派と、日清戦役前の紅葉・露伴の時代、鴎外の評論活動を語る。第四章は日清戦役後に新しい創作家や評論家が現れたが、硯友社の勢力は続き、写実主義も空想でこしらえた写実にとどまったと見る。第五章は詩と歌が小説に代わって読者の渇を癒した明治三十年代と、日露戦役後に文章の革新から硯友社が覆されていく流れを描き、翻案時代の型を脱せぬまま大正に入る明治文学を惜しむと結ぶ。

登場人物

冒頭部(原文より)

 明治の文学は、飜案の時代、飜訳の時代だと言へる。国民性といふことが言はれるけれど、その国民性と文学と何の点まで一致して居るかといふことは疑問である。

「明治文学の概観」田山花袋(青空文庫)

末尾部(原文より)

 今日のことは説く必要がない。――しかし私は飜案時代の文学の型を脱せずにそのまゝ大正の時代に入つて行つた明治文学を惜む一人であることを此処に言つて置きたいと思ふ。

「明治文学の概観」田山花袋(青空文庫)

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