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翁の発生(折口信夫)のあらすじ・登場人物

翁はどこから来たのか

折口信夫 1928年(昭和3年)1月 「民俗芸術」

文字数
26,032字
読了目安
約52分
表記
新字旧仮名

この作品について

折口信夫が、能楽の「翁」の起源を、民俗学の立場から論じた講演録。翁の舞や、翁芸が猿楽へと展開する道筋、山人の舞との関係を考える。芸能史と民俗学を結ぶ折口の仕事の代表格。

あらすじ

論は「おきなと翁舞ひと」の項から始まる。翁の発生から、形式方面を主として、その展開を考えたいと述べる。翁芸を飛躍させたのは猿楽であり、翁が田楽の「中門口」に相当する定式の物となった筋道が分かるようにしたいという。おきなという語は、早くから芸能の上に分化した用語例の印象を取り込んでいる。結びは、黒川能や黒倉田楽、黒平三番叟など、山中の芸能の村の例を挙げ、「くろ」が顔の黒色を意味するのか、技芸の別を示す用語なのかは断言できないが、「山人舞」との深い関係は考えられると述べる。

冒頭部(原文より)

     一 おきなと翁舞ひと 翁の発生から、形式方面を主として、其展開を考へて見たいと思ひます。しかし個々の芸道特有の「翁」については、今夜およりあひの知識の補ひを憑む外はないのであります。翁芸を飛躍させたのは、猿楽であります。翁が、田楽の「中門口」に相当する定式の物となつた筋道が、幾分でも訣つて貰へるやうに致したいと存じます。

「翁の発生」折口信夫(青空文庫)

末尾部(原文より)

併し、ちよつと申して置きました様に、黒といふ語が、我が国では、一種異様な舞踊の保持団体と関係のありさうなのは事実です。黒山舞の昔から、黒川能・黒倉田楽・黒平三番叟など皆山中の芸能村なのです。此等のくろは顔面の黒色を意味するものか、其とも、技芸の正雑を別つ上の用語か、今の処断言はいたしかねるのですが、何にしても「山人舞」と深い関係は考へられようと思ひます。

「翁の発生」折口信夫(青空文庫)

原文を読む

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