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霊訓(ステイントン・モーゼス)のあらすじ・登場人物

自動書記が伝える霊界の声

  • 翻訳

ステイントン・モーゼス 訳者 浅野和三郎 

文字数
43,874字
読了目安
約1時間28分
表記
新字新仮名

この作品について

英国の牧師で、心霊主義の霊媒として知られたウィリアム・ステイントン・モーゼスが、1873年から自動書記で受け取ったとする通信を編み、1883年に刊行した『Spirit Teachings』の抄訳。訳者は日本の心霊研究の草分けの浅野和三郎で、冒頭の解説でモーゼスの経歴と通信の成り立ちを紹介する。本文はモーゼスの問いに指導霊が答える問答の形をとり、死後の生命や霊媒の資格、キリスト教の教義などを十一章にわたって語る。各章に訳者の評釈が付く。

あらすじ

冒頭の解説で浅野は、モーゼスがオックスフォードに学んだ牧師で、のちにロンドン大学予備科の教授となり、一八七三年から自動書記によって霊界からの通信を受け取るようになった経緯を、モーゼス自身の序文を抄出しながら紹介する。本文は、モーゼスの問いに通信者が答える問答の形で進む。第一章では、現代は善と悪とが最も激しく争う新時代の黎明であり、真理は心の準備のできた者だけがつかめると説き、地上に降りる霊の多くは下級霊で、真理の普及を妨げる「魔群」もいると語る。続く章では、仁者と哲人を兼ねた人を理想とし、死刑や戦争で魂が無理に肉体から引き離されることの害を論じ、霊媒にふさわしい人格や、競馬の日の交霊会が悪霊に乱される理由、節制の大切さ、死後の夫婦関係などを答える。後半では、怒りと妬みの神や第三者による贖罪を説く正統派の教義を退け、神の認識と崇敬、隣人への貢献、自己の向上という責務を示し、聖書もまた時代ごとに人の手を通して受け取られた啓示だと述べる。最後に、真理は特定の人や宗派のものではなく、通信の正否は自分を裁くのと同じ筆法で他を裁くことで見分けよと「審神」の要訣を教える。各章の後には浅野の評釈が付く。

登場人物

冒頭部(原文より)

問『現代はいかなる時か?』  新時代の黎明――格別の努力が、今や真理の普及に向って払われつつある。が、一方に神の使徒達の努力が加わると同時に、今も昔と同じく、他方に於てこれに反抗する魔群がある。世界の歴史は畢竟、善と悪との抗争の物語である。一方は光、他方は闇、この戦は精神的、並に肉体的の、あらゆる方面に向って行われる。無論両者の争闘は、時代によりて消長を免れないが、現在はその最も激しい時代である。神の使徒は、今やその威力を集結して戦に臨んでいるので、人間社会はこれが為めに影響せられ、心霊知識、その他の普及となりつつある。道に反く者、心の弱き者、定見なき者又単なる好奇心で動く者は、禍なる哉である。真理を求むる者のみが、大盤石の上に立って居る。 問『いかにして真理を掴むか。』  心の準備――真に求むる者にして、最後に真理を掴まぬものはない。但しそれには多大の歳月を要する。時とすれば、その目的が地上生活中には達せられぬかも知れない。神は一切を試練する、そして資格のある者にのみ智慧を授ける。前進の前には常に準備が要る。これは不変の鉄則である。資格が備わりてからの進歩である。忍耐が大切な所以である。

「霊訓」ステイントン・モーゼス(青空文庫)

末尾部(原文より)

 吾等は信ずる、沈思熟慮の結果は、必ず汝をして、われ等の主張の合理性を承認せしむるに相違ないと。これに対する絶対的証明は、地上生活中には到底獲られぬであろうが、何れその中汝も亦死線を越えて、われ等の仲間入りをするであろう。その時こそ、最早嘘も事実もない。それまではしばらく間接的証明の蓄積によりて、一歩一歩自己の信念を固められたい。自己を裁くと同一筆法を以て他を裁けば、決して間違いは起らない。それが審神の要訣である。

「霊訓」ステイントン・モーゼス(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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