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ロミオとヂュリエット(シェイクスピア)のあらすじ・登場人物

逍遥の名調子で読む悲恋劇

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  • 翻訳

シェイクスピア 訳者 坪内逍遥 1933年(昭和8年)10月

文字数
68,798字
読了目安
約2時間18分
表記
旧字旧仮名

この作品について

坪内逍遥によるシェークスピア「ロミオとヂュリエット」の翻訳。歌舞伎の台詞回しを思わせる文語調の名調子で知られる「新修シェークスピヤ全集」の一冊として、1933年(昭和8年)10月に刊行された。近代日本演劇・文学の確立に尽力した逍遥が、晩年に独力で成し遂げたシェークスピア全作品翻訳の集大成の一つであり、日本語によるシェークスピア受容の基礎を築いた記念碑的な仕事である。

あらすじ

イタリアの都市ローナ(ヴェローナ)では、モンタギュー家とキャピューレット家という二つの名家が古くからの遺恨で争い続けている。モンタギュー家の息子ローミオーは、仮面舞踏会に忍び込んだ先でキャピューレット家の娘ヂューリエットと出会い、たちまち恋に落ちる。両家の対立を知りながらも想いを抑えられない二人は、ロレンス法師の仲立ちでひそかに祝言を挙げる。折しもローミオーの親友マーキューシオーが、ヂューリエットの従兄チッバルトとの喧嘩の末に落命し、怒ったローミオーはチッバルトを討ち果たしてしまう。この罪により追放を言い渡されたローミオーは、ヂューリエットとの一夜を経てマンチュアへと落ち延びる。父の勧める縁談から逃れるため、ヂューリエットはロレンス法師の勧めで仮死の薬を飲み、死んだと見せかける策を取るが、この計画を伝える手紙がローミオーのもとに届かない。ヂューリエットの死を真実と思い込んだローミオーは、毒薬を手にヂューリエットの眠る墓所へと駆けつけ、目覚めぬ許婚の傍らで毒をあおって命を絶つ。目を覚まし、すでに事切れたローミオーを見たヂューリエットもまた、その場で自らの命を絶つ。二人の亡骸を前に、ようやく両家は長年の遺恨を解き、和解するのだった。

登場人物

冒頭部(原文より)

序詞役出る。序詞役 威權相如く二名族が、處は花のローナにて、古き怨恨を又も新たに、血で血を洗ふ市内鬪爭。かゝる怨家の胎内より薄運の二情人、惡縁慘く破れて身を宿怨と共に埋む。死の影の附纒ふ危き戀の履歴、子等が非業に果てぬるまでは、如何にしても解けかねし親々の忿、是れぞ今より二時間の吾等が演劇、御心長く御覽ぜられさふらはゞ、足はぬ所は相勵みて償ひ申さん。序詞役入る。

「ロミオとヂュリエット」シェイクスピア(青空文庫)

末尾部(原文より)

領主  物悲しげなる靜けさをば此朝景色が齎する。日も悲しみてか、面を見せぬわ。いざ、共に彼方へ往て、盡きぬ愁歎を語り合はん。赦すべき者もあれば、罰すべき者もある。哀れなる物語は多けれども、此ロミオとヂュリエットの戀物語に優るはないわい。

「ロミオとヂュリエット」シェイクスピア(青空文庫)

名文

おゝ、ロミオ、ロミオ! 何故卿はロミオぢゃ! 父御をも、自身の名をも棄てゝしまや。それが否ならば、せめても予の戀人ぢゃと誓言して下され。すれば、予ゃ最早カピューレットではない。

第二幕、バルコニーの場でヂュリエットがひとり胸の内を明かす台詞。敵同士の家に生まれた恋の悲劇を名前という一点に凝縮した名台詞を、坪内逍遥の古風な訳で味わえる。

名が何ぢゃ? 薔薇の花は、他の名で呼んでも、同じやうに善い香がする。

同じ場面の続き。名前は物の本質を変えないと言い切り、家の名を捨ててでも結ばれたいと願うヂュリエットの思いを、薔薇のたとえで印象深く語る。

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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