俳諧大要(正岡子規)のあらすじ・登場人物
近代俳句の出発点となった入門論
- 文字数
- 45,423字
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- 約1時間31分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
正岡子規が新聞「日本」に連載した、俳句革新の理論書。俳句の定義、修学の順序、俳句の種類、和歌や他の文学との関係、実例の評まで、初心者に向けて写生の精神とともに説く。のちの近代俳句の出発点として、俳句を学ぶ人に長く読まれてきた。
あらすじ
冒頭は、盲目の俳士・花山に請われて、俳句の心得を書いて伝えるという体裁をとる。以下、「俳句の定義」「俳句の分類」「修学第一期」「修学第二期」「修学第三期」と段階を追って、俳句とは何か、どう学ぶかを具体的に述べる。子規は、俳句は文学の一部であり文学は美術の一部であるから、美の標準によって評価すべきだとし、複雑な美を求める句作りを勧める。初学の者にはまず古今の名句を読んで広く学ぶこと、写生の態度を養うことを説き、俳諧の連句や雑詠の実例を挙げて評する。連載の最後には、連句の例を引き、一句として面白い句を指摘して終わる。
冒頭部(原文より)
ここに花山といへる盲目の俳士あり。望一の流れを汲むとにはあらでただ発句をなん詠み出でける。やうやうにこのわざを試みてより半年に足らぬほどに、その声鏗鏘として聞く者耳を欹つ。一夜我が仮住居をおとづれて共に虫の音を愛づるついでに、我も発句といふものを詠まんとはすれどたよるべきすぢもなし、君わがために心得となるべきくだりくだりを書きてんやとせつに請ふ。答へて、君が言好し、昔は目なしどち目なしどち後について来ませとか聞きぬ、われさるひじりを学ぶとはなけれど覚えたる限りはひが言まじりに伝へん、なかなかに耳にもつぱらなるこそ正覚のたよりなるべけれ、いざいざと筆をはしらし僅かにその綱目ばかりを挙げてこれを松風会諸子にいたす。諸子幸ひにこれを花山子に伝へてよ。
「俳諧大要」正岡子規(青空文庫)
末尾部(原文より)
一、この連句にて各句の附具合はそれぞれに味ひありて面白し。ただ一句として面白き句は 水うちそゝぐ進物の鯛 裂けやすき糸の乱れの古袴 妻を奪ひ行く夜半の暗きに ちら/\と雪降る竹の伏見道 なく/\も棺を出だす暮の月 などなるべし。 (明治二十八年十月二十二日―十二月三十一日)
「俳諧大要」正岡子規(青空文庫)
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