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美味い豆腐の話(北大路魯山人)のあらすじ・登場人物

湯豆腐の決め手は水と豆腐

北大路魯山人 1933年(昭和8年) 「星岡」

文字数
1,856字
読了目安
約4分
表記
新字新仮名
種別
随筆

この作品について

北大路魯山人が湯豆腐を主題に語る食味随筆。美味い湯豆腐の決め手は何よりも豆腐そのものの良し悪しにあり、その良否は良水に懸かっているとして、水明の都・京都の豆腐を第一に推す。縄手の名店に家伝の秘法を授かった経験や、みずからの家に湧いた良水の自慢を交えつつ、土鍋・杉箸・だし昆布・薬味といった湯豆腐の実際の要領までを具体的に説く。

あらすじ

魯山人は、いかに薬味や醤油を吟味しても、豆腐が不味ければ湯豆腐は成り立たないと述べ、美味い豆腐を求めるならズバリ京都だと断言する。京都は古来水明で名高く良水に恵まれ、精進料理など金のかからぬ美食を尊ぶ土地柄だからだという。もっとも今日では京都も水道と機械製法、粗悪な大豆によって往時の味を失いつつあると嘆きつつ、魯山人は縄手四条上ルの一軒に家伝の秘法を授けられ、自邸に湧いた良水を得て、本家に劣らぬ豆腐を作れるようになったと語る。よい豆腐なら生のまま生醤油をかけても、焼いても揚げても飛竜頭にしても美味だとし、後半では土鍋・杉箸・だし昆布・薬味・醤油といった湯豆腐の道具立てと要領を具体的に指南する。

冒頭部(原文より)

 美味い湯豆腐を食べようとするには、なんといっても豆腐のいいのを選ぶことが一番大切である。いかに薬味、醤油を吟味してかかっても、豆腐が不味ければ問題にならない。  そんなら、美味い豆腐はどこで求めたらいいか? ズバリ、京都である。  京都は古来水明で名高いところだけに、良水が豊富なため、いい豆腐ができる。また、京都人は精進料理など、金のかからぬ美食を求めることにおいて第一流である。そういうせいで、京都の豆腐は美味い。

「美味い豆腐の話」北大路魯山人(青空文庫)

末尾部(原文より)

 なお、もともと東京人は美食知らずであるから、仔細に食を楽しむという人は極めて少ない。地方にだって、美食に恵まれた都市もあれば、町、村もある。志のある人は、諸地方の美食を参考にして、仔細に楽しまれるとよい。

「美味い豆腐の話」北大路魯山人(青空文庫)

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