〔われはダルケを名乗れるものと〕(宮沢賢治)のあらすじ・登場人物
ダルケとの永久のわかれ
- 文字数
- 148字
- 読了目安
- 約1分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
「ダルケ」と名乗る人物との訣別を語る短い文語詩。「ダルケ」「ダルゲ」の名は『図書館幻想』などにも現れる。図書館の三階、地下室、破れるガスのマントルなど、幻想的な場面が七五調の短い行で連なる。
あらすじ
語り手は、ダルケと名乗る者とつめたく最後の別れを交わす。図書館の閲覧室の三階から、白い砂をはるかにたどるような心地でその地下室へ降りてきて、互いに湯と水を飲む。そのときガスのマントルが破れ、炎が葱の花のようになって網膜が半ば奪われ、洞が黒く錯乱する。こうして語り手は、ダルケという名の哲人と永久の別れをなしたのだった、と結ばれる。
冒頭部(原文より)
われはダルケを名乗れるものと つめたく最後のわかれを交はし 閲覧室の三階より 白き砂をはるかにたどるこゝちにて その地下室に下り来り かたみに湯と水とを呑めり そのとき瓦斯のマントルはやぶれ 焔は葱の華なせば
「〔われはダルケを名乗れるものと〕」宮沢賢治(青空文庫)
末尾部(原文より)
網膜半ば奪はれて その洞黒く錯乱せりし かくてぞわれはその文に ダルケと名乗る哲人と 永久のわかれをなせるなり
「〔われはダルケを名乗れるものと〕」宮沢賢治(青空文庫)
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