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華々しき一族(森本薫)のあらすじ・登場人物

持寄り世帯にゆれる恋心

  • 家族
  • 恋愛

森本薫 1935年(昭和10年)7月 「劇作」

文字数
42,167字
読了目安
約1時間24分
表記
新字新仮名

この作品について

森本薫が京都帝大在学中の1935年(昭和10年)、雑誌「劇作」に発表した戯曲。初演は戦後の1950年(昭和25年)。川を見下ろすコテージ風の家で暮らす映画監督の鉄風と妻の諏訪、それぞれの連れ子である昌允・未納と美という、血のつながりの入り組んだ「持寄り世帯」に、鉄風の弟子の若い監督・須貝が出入りすることから起こる心の揺れを描く。テニスのあとの他愛ない言い合いから始まる、軽妙で含みの多い会話の積み重ねが特徴の三幕の心理劇である。

あらすじ

六月末の日曜日、映画監督・鉄風の家で、末娘の未納は鉄風の弟子の若い監督・須貝とテニスのあとの軽口をたたき合っている。この家は、鉄風とその子の昌允・未納、妻の諏訪とその娘の美が一緒になった「持寄り世帯」で、昌允と美は他人でありながら兄妹になってしまった。昌允は須貝に、親たちは須貝が美と未納のどちらを選ぶかに興味を持っていると打ち明け、自分は以前から美を好いていたので、できれば未納を選んでほしいと頼む。須貝は気のない返事をするが、彼をめぐって美と未納、さらには踊り手でもある母の諏訪の心までが静かに揺れ始める。やがて鉄風は、未納が須貝と一緒になりたがっていると言い出し、美も賛成してみせるが、諏訪は落ち着かない。互いの本心を隠したまま言葉が行き交ううち、須貝は誰にも別れを告げずに家を出ていってしまう。残された諏訪と美と未納は、それぞれ自分がいけなかったと泣きながら打ち明け合い、諏訪はこれからは以前のように仲よく暮らせると娘たちをなだめる。

登場人物

冒頭部(原文より)

須貝 (椅子に掛けて、ラケットをいじくりながら)兎に角、一遍でいい、陽に向って勝負をしたまえ、それから、あなたの打ったような球を留めてみ給え、それからの話だ。

「華々しき一族」森本薫(青空文庫)

末尾部(原文より)

諏訪 母さん迄泣いて了うじゃないの……。こら、こんなに涙が出て来て……。(ハンカチを取り戻す)

「華々しき一族」森本薫(青空文庫)

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