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純粋経済学要論 上巻(ワルラス)のあらすじ・登場人物

すべての市場の均衡を解く

  • 翻訳

ワルラス 訳者 手塚寿郎 1933年(昭和8年)

文字数
203,013字
読了目安
約6時間46分
表記
新字新仮名

この作品について

スイスのローザンヌ大学で教えたフランスの経済学者レオン・ワルラスが、一八七四年から七七年にかけて刊行した主著の翻訳。すべての市場の需要と供給が同時に釣り合う状態を連立方程式で表す一般均衡理論を、初めて体系立てて示した書として知られる。手塚寿郎の訳は原著の一九二六年版に拠り、上巻が一九三三年に森山書店から出た。上巻では経済学の対象と区分から始め、二つの商品の交換、多数の商品の交換を経て生産の理論までを、数式と図を交えて論じる。青空文庫で公開されているのはこの上巻だけで、資本の形成や貨幣などを扱う下巻の部分は含まれない。

あらすじ

訳者序、凡例、ワルラスの略伝、原著第四版の序に続いて本文に入る。第一編では、スミスやセイによる経済学の定義を検討して、科学・技術・道徳を区別し、稀少なものからなる社会的富を対象に、交換価値の理論である純粋経済学、産業を扱う応用経済学、所有権を扱う社会経済学に分ける。第二編では、市場と競争の仕組みから説き起こし、有効需要曲線と有効供給曲線、需要と供給が等しくなる価格の成立を論じ、利用曲線(欲望曲線)をもとに、交換価値の原因は稀少性、すなわち最後に満たされる欲望の強さにあるとする。第三編では、多数の商品の間の交換に議論を広げて一般均衡の定理を示し、価格の変動の法則や価値尺度財と交換の仲介物を論じたうえで、交換価値の原因についてのスミスとセイの説を批判する。第四編では、資本と収入、土地・人・資本がもたらす三つの生産的用役、企業者と企業の会計を説明し、生産方程式を立てて、売り手と買い手のせり上げ・せり下げによる摸索を通じて生産物と用役の価格が決まる過程を示し、自由競争の原理を論じる。

冒頭部(原文より)

 一 経済学の講義または概論の当初にまず、経済学それ自身、その目的、その分け方、その性格、その限界を限定せねばならない。私はこの義務を回避しようとは思わない。だが断っておかねばならぬが、この義務は、人々がおそらく想像するであろう以上に、果すに困難であり、簡単ではない。経済学の正しい定義は未だにないのである。既に経済学に与えられたすべての定義のうちで、科学上に獲得された真理の象徴である所の一般的で決定的な承認を得ているものは、一つとして無い。私はそれらのうち比較的に最も興味あるものを引用し批評し、しかる後私の定義を示すに努めたいと思う。そしてこれらのことをなす間に、我々が知っておかねばならぬ若干の著者名や著作名や時日等を挙げる機会を作るであろう。

「純粋経済学要論 上巻」ワルラス(青空文庫)

末尾部(原文より)

 だがもし他の価格の変化、他の有効需要及び供給の変化を捨象し、これらを常数と考えれば、Db は唯一の変数 pb の減少函数であって、幾何学的には価格曲線 BdBp(第十図)によって表わされ得る。横坐標 pb をもつ点Bの縦坐標は需要 Db を表わす。かくて私共は、既に示した幾何学的表現に立ち帰るわけである。

「純粋経済学要論 上巻」ワルラス(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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