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駅伝馬車(アーヴィング)のあらすじ・登場人物

クリスマス前日の旅の馬車

  • 翻訳

アーヴィング 訳者 高垣松雄 1935年(昭和10年)9月

文字数
6,045字
読了目安
約12分
表記
旧字旧仮名
種別
随筆

この作品について

アメリカの作家ワシントン・アーヴィングの随筆集『スケッチ・ブック』の一章「The Stage-Coach」を、アメリカ文学研究者の高垣松雄が訳したもの(岩波文庫『スケッチ・ブック』所収)。クリスマス前日の旅の駅伝馬車の描写から、クリスマスを田舎の邸で過ごす招待へと展開する、旅の随筆。底本は旧字旧仮名。

あらすじ

イギリスに於けるクリスマスの祝祭について一般的な観察を述べたのち、語り手は、田舎で過ごしたクリスマスの逸話を記しはじめる。十二月、ヨークシャを旅する途中、語り手はクリスマスの前日に駅伝馬車の世話になった。馬車は内も外も乗客でいっぱいで、休暇で家へ帰る少年たちも乗り合わせている。少年たちは馭者を世界で一番よい人だと慕い、機会さえあれば質問を浴びせかける。語り手は、いかにもイギリスらしい馭者の風体や、馬車の上の賑やかな様子を、ユーモアを交えて描いていく。やがて、旅の途中で出会ったフランク・ブレイスブリッジという青年から、クリスマスを自分の父の邸で過ごさないかと招かれた語り手は、その厚意を受けることにして、邸へ向かって出発する。

登場人物

冒頭部(原文より)

 十二月のこと、ヨークシャを旅行の途上、長い道程をわたしは驛傳馬車の御厄介になつたが、それはクリスマスの前日であつた。馬車は内も外も乘客が混みあつてゐた。その語りあふところから見ると、行先は主に親戚友人の家でクリスマスの御馳走になりに行くのらしかつた。馬車に積込まれたものとしては、また狩獵の獲物の入つた大籃や、珍味を詰めた箱などもあつた。野兎が長い耳をぶらぶらさせて馭者臺の周圍に吊されてゐた、遠方の友人からの贈物で、差迫つた饗宴の用に立てるのであらう。わたしは三人の美しい薔薇色の頬をした少年と一緒に、車内に乘つて行つた。

「駅伝馬車」アーヴィング(青空文庫)

末尾部(原文より)

彼はこれから父のところへ行つて休暇を送らうとしてゐるのだし、邸は二三哩離れた場所だとのことであつた。「宿屋でクリスマスの御馳走を一人で食べるよりはましですよ」と彼が云つた、「それにですね、古風な、心からの歡迎ができると思ふんですよ。」彼の説くことには理があつたし、白状すると、到る處で目につく賑かなお祭の支度は、自分の孤獨をいささか堪へがたく思はせてゐたのだつた。それで、わたしは直ぐさま彼の招きに應じたのである。馬車は玄關前に着けられた、そして數分の後、わたしはブレイスブリッジ邸へ向つて發足した。

「駅伝馬車」アーヴィング(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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