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神神の微笑(芥川龍之介)のあらすじ・登場人物

何もかも作り変える日本の力

  • 幻想
  • 歴史

芥川龍之介 1922年(大正11年)1月 「新小説」

文字数
8,897字
読了目安
約18分
表記
新字新仮名
種別
小説

この作品について

切支丹物にして、日本という風土の「作り変える力」を主題にした思想的な短編。南蛮寺の伴天連オルガンティノの前に、日本の古い神々を体現する一人の老人の霊が現れ、渡来した泥烏須(デウス)の教えも、いずれこの国の風土に同化され、変えられてしまうだろうと予言する。外来のものをことごとく作り替えてしまう日本文化の同化力を「神々の微笑」として描いた作品で、芥川の文明・文化論としても注目される。

あらすじ

布教のために日本へ渡った南蛮寺の伴天連オルガンティノは、春の夕、寺の庭を歩きながら、望郷の念と手応えのなさに沈んでいた。日本人は容易に切支丹に改宗するものの、その信仰はどこか彼の望むものと違う。庭で祈っていると、夢とも現ともつかぬうちに、日本の古い神々を体現する一人の霊が、老人の姿となって現れる。老人はオルガンティノに向かい、この国には天照大神をはじめとする「我々の力」が満ちており、大陸から渡来した儒教も仏教も、みなこの風土に取り込まれ、日本流に作り変えられてきたのだと語る。泥烏須の教えとて例外ではなく、やがてこの国の神々の力によって、その姿を変えられるだろう、と。「我々は木々の中にもいます。浅い水の流れにもいます……どこにでも、またいつでもいます。御気をつけなさい」——そう言い残して、老人の姿は夕闇に消える。塔からはアヴェ・マリアの鐘が響くが、外来の信仰と土着の神々、いずれが勝つのかは、なお定かではないのだった。

登場人物

冒頭部(原文より)

ある春の夕、Padre Organtino はたった一人、長いアビト(法衣)の裾を引きながら、南蛮寺の庭を歩いていた。

「神神の微笑」芥川龍之介(青空文庫)

末尾部(原文より)

それまでは、――さようなら。パアドレ・オルガンティノ! さようなら。南蛮寺のウルガン伴天連!

「神神の微笑」芥川龍之介(青空文庫)

原文を読む

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