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明治開化 安吾捕物 その二 密室大犯罪(坂口安吾)のあらすじ・登場人物

掛け金の内で死んだ主人

  • ミステリ
  • 歴史

坂口安吾 1950年(昭和25年)11月 「小説新潮」

文字数
24,354字
読了目安
約49分
表記
新字新仮名
種別
小説
舞台
  • 東京都

この作品について

坂口安吾の連作探偵小説「明治開化 安吾捕物」の第二話で、1950年(昭和25年)11月の「小説新潮」に掲載された。紳士探偵・結城新十郎が、剣術使いの泉山虎之介、戯作者の花廼屋因果とともに、人形町の小間物屋で起きた密室殺人に挑む。主人が寝起きする土蔵の二階の部屋は、内側から掛け金がかかっていた。水天宮の縁日でにぎわう夜、店の内に渦巻く色と欲、円朝の高座がかかる寄席など、明治の下町の風俗を織り込みながら、閉ざされた部屋の謎をほどいていく。

あらすじ

人形町の小間物屋「川木」の主人藤兵衛は、土蔵の二階を居間にして暮らしていた。水天宮の縁日の翌朝、女中が熱い茶を運ぶと戸が開かず、押し破ると藤兵衛は自分の脇差で背中から刺し殺されていた。戸には内側から掛け金がかかっていたという。新十郎たちが調べると、前夜には、春に暇を出された元番頭の加助が呼ばれて土蔵を訪れ、その後、妾のお槙と甥の芳男が呼びつけられていた。お槙の部屋の屑籠からは昨日付けの三行り半が見つかり、二人の不義が藤兵衛に知られていたことがわかる。加助は、藤兵衛から帳面の不正を働いた芳男と番頭の修作を追い出し、自分を番頭に戻すと約束されたと語る。やがて着物と足袋に血をつけた芳男が品川で捕らえられ、深夜に詫びに行くと叔父はすでに死んでいたと訴える。新十郎は掛け金に釘が差し込まれていなかったことと、隣の部屋に落ちていた土に目をとめる。勝海舟は加助を下手人と見立てるが、新十郎は縁日の夜に寄席へ通っていた修作が、芳男の煙草入れを懐に塀を越えて土蔵に忍び込み、不義の二人が叱られて去った直後に藤兵衛を刺して罪を着せようとしたことを暴く。修作は、お槙をわざと芳男へ向かわせたところから一年半前に企んでいたと開き直るのだった。

登場人物

冒頭部(原文より)

 秋ばれの好天気。氷川の勝海舟邸の門をくぐったのは、うかない顔の泉山虎之介であった。よほど浮かない事情があるらしい。

「明治開化 安吾捕物 その二 密室大犯罪」坂口安吾(青空文庫)

末尾部(原文より)

 虎之介は海舟の読みのひろさに益々敬服の念をかため、その心眼の鋭さに舌をまいて、謹聴しているのである。

「明治開化 安吾捕物 その二 密室大犯罪」坂口安吾(青空文庫)

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