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明治開化 安吾捕物 その六 血を見る真珠(坂口安吾)のあらすじ・登場人物

南洋の海底から出た魔の真珠

  • ミステリ
  • 冒険

坂口安吾 1951年(昭和26年)3月 「小説新潮」

文字数
24,951字
読了目安
約50分
表記
新字新仮名
種別
小説
舞台
  • 東京都

この作品について

坂口安吾の連作探偵小説「明治開化 安吾捕物」の第六話で、1951年(昭和26年)3月の「小説新潮」に掲載された。明治十六年、濠洲への初航海で南洋の真珠景気を見た機帆船の船長が、ボルネオ沖で偶然見つけた手つかずの真珠貝の海底へ、房州の潜水夫たちを連れてひそかに漁に出る。男ばかりの船に乗り組んだ海女の妻たち、博才にたけた料理方、欲に目覚めた通辞――閉ざされた船上に欲望が渦巻くなか、世界に二つとない大真珠が姿を見せる。前半は南洋の海の冒険譚、後半は数年後の東京での謎解きという、シリーズの中でも異色の構成をとる。

あらすじ

明治十六年、機帆船昇龍丸の船長畑中利平は、ボルネオ北端の海で座礁した際、真珠貝が無数にしきつめられた海底を見つけた。彼は房州小湊の潜水の名人八十吉と清松、綱持ちのその妻キンとトク、船頭竹造を誘い、密漁の航海に出る。船中には女に飢えた水夫たちの殺気がこもり、博打の名人の料理方大和は清松を賭けに引き込み、通辞の今村も海女の姿に心を乱される。漁は大当たりで、清松はやがて三百グレーンの黒真珠と、五百三十グレーンの世界一の白真珠を相次いで引き上げるが、その直後に潜水病で倒れた。帰国を前にした酒宴の夜、翌朝船長室で畑中がモリで刺し殺され、金庫の二つの大真珠が消え、八十吉も行方知れずになる。大和がいくら船中を探しても真珠は見つからなかった。三年余りのち、留守宅を何度も家探しされるキンが、新十郎のもとへ相談に来る。大和が呼びかけた「犯人探しの会」を隣室で聞いた新十郎は、翌日一同を集めて謎を解く。八十吉を海に突き落としたのは今村で、船長室を調べた今村は、死者の靴の踵に隠された真珠を見つけながら取り出せずに終わり、真珠は船長の遺体とともに海へ帰っていた。真珠を求めて船長を殺し、その後もキンの家を探し回っていたのは、潜水病を装っていた清松であった。

登場人物

冒頭部(原文より)

 明治十六年一月のことである。東京の木工船会社で新造した百八十トンの機帆船昇龍丸が試運転をかねて濠洲に初航海した。日本の国名も聞きなれぬ当時のことで、非常に珍しがられて、港々に盛大なモテナシをうけた。そのとき、木曜島近海の暗礁にのりあげて船体を破損し、修理のために一ヶ月ほど木曜島にとどまったのである。

「明治開化 安吾捕物 その六 血を見る真珠」坂口安吾(青空文庫)

末尾部(原文より)

 これ又意外な説教。しかし虎はことごとく謹んで傾聴しているから世話はない。

「明治開化 安吾捕物 その六 血を見る真珠」坂口安吾(青空文庫)

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