或る忠告(太宰治)のあらすじ・登場人物
詩人が「私」に突きつけた忠告
- 心理
- 文字数
- 872字
- 読了目安
- 約2分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
この作品について
太宰治の掌編。ある詩人が「私」の家を訪れ、酔ってもいないのに、名士気取りで俗物化していく作家のありようを、痛烈にこきおろしていく。作家としての覚悟と責任を鋭く問う、太宰の自戒のこもった一編である。
あらすじ
「その作家の日常の生活が、そのまま作品にもあらわれて居ります。ごまかそうたって、それは出来ません」——ある詩人が「私」の家にやって来て、正面から痛烈な忠告を浴びせる。『文人』の仲間入りができたのがそんなに嬉しいのか。『先生』と呼ばれ、映画の試写や相撲に招待され、少しばかり金が入るようになったのが、そんなに嬉しいのか。小説を書きはじめた時の、あの悲壮な覚悟はどうなった——。名士気取りで俗物化していく作家のありようを、詩人は容赦なくこきおろしていく。「もっと、まともに苦しもうよ。まともに生き切る努力をしようぜ」「明日の立派な覚悟より、きょうの、つたない献身が、いま必要であります。お前たちの責任は重いぜ」。その人は、酒に酔ってはいなかった——作家としての覚悟と責任を鋭く突きつける、太宰の自戒のこもった掌編である。
冒頭部(原文より)
「その作家の日常の生活が、そのまま作品にもあらわれて居ります。ごまかそうたって、それは出来ません。生活以上の作品は書けません。ふやけた生活をしていて、いい作品を書こうたって、それは無理です。 どうやら『文人』の仲間入り出来るようになったのが、そんなに嬉しいのかね。」
「或る忠告」太宰治(青空文庫)
末尾部(原文より)
「もっと、まともに苦しもうよ。まともに生き切る努力をしようぜ。(……)明日の立派な覚悟より、きょうの、つたない献身が、いま必要であります。お前たちの責任は重いぜ。」 と或る詩人が、私の家へ来て私に向って言いました。その人は、酒に酔ってはいませんでした。
「或る忠告」太宰治(青空文庫)
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