朝(太宰治)のあらすじ・登場人物
遊び好きな作家の一夜あけの情景
- 心理
- 文字数
- 3,022字
- 読了目安
- 約6分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
この作品について
太宰治が戦後の1947年(昭和22年)に発表した小品。遊ぶことが何より好きだという「私」のもとを、次々と客が訪れる。酒と遊びの一夜が明けていく朝の情景を、太宰らしい軽妙とほろ苦さで描いたスケッチである。
あらすじ
「私は遊ぶ事が何よりも好きなので」——家で仕事をしていても、「私」は友が訪ねてくるのをひそかに心待ちにしている。玄関ががらっとあくと、眉をひそめ口をゆがめてみせながら、実は胸をおどらせて、書きかけの原稿をさっと片づけ、客を迎える。そして客と連れ立って遊びに出るのだ。酒を飲み、語らい、遊び暮らす——そんな夜が更けて、やがて朝が来る。薄明るくなった部屋で、もはや暗闇ではなくなった時刻に、「私」は起きて帰り支度をする。戦後の混乱のなか、遊ぶことに身をやつす作家の姿を、軽妙な筆致とほのかなほろ苦さで写しとった、太宰の小品である。
冒頭部(原文より)
私は遊ぶ事が何よりも好きなので、家で仕事をしていながらも、友あり遠方より来るのをいつもひそかに心待ちにしている状態で、玄関が、がらっとあくと眉をひそめ、口をゆがめて、けれども実は胸をおどらせ、書きかけの原稿用紙をさっそく取りかたづけて、その客を迎える。
「朝」太宰治(青空文庫)
末尾部(原文より)
部屋は薄明るく、もはや、くらやみではなかったのである。 私は起きて、帰る身支度をした。
「朝」太宰治(青空文庫)
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