地球盗難(海野十三)のあらすじ・登場人物
巨大な怪物と狂気の科学者
- SF
- 冒険
- 文字数
- 84,114字
- 読了目安
- 約2時間48分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
この作品について
海野十三が1936年(昭和11年)、「ラヂオ科学」に連載した長編SF小説。日本SFの先駆者・海野が、少年少女にも向けて書いた科学冒険物語である。矢追村に出没する亀のような巨大甲虫の怪異から、狂気の科学者・辻川博士の邸の秘密へと迫ってゆく――。少年・武夫やお美代、大隅学士と佐々記者が、奇想天外な事件に立ち向かう、痛快な空想科学冒険譚である。
あらすじ
少年・河村武夫とお美代は、サイカチの木に登って甲虫を探していて、亀のように巨大な――弁当箱の二倍もある――怪物甲虫に出くわす。それはネス湖の怪物を思わせる、この世のものとも思えぬ異様な生き物だった。やがて、この巨大生物の怪異は、矢追村に次々と現れる「大入道」のような巨大な生き物たちへとつながっていく。その背後にいたのは、日本中を探しても類を見ないほど風変わりな邸に住む、狂気の科学者・辻川博士だった。博士の庭内の鉄檻には、豚ほどもある赤裸の巨大な人間や、怪物じみた巨大生物ばかりが集められていたのである。学者の大隅と、飛行船「空の虱」をあやつる新聞記者・佐々は、コンビを組んで辻川博士の邸に忍び入り、その恐るべき秘密を暴こうとする。捕らえられ、変わりはてた姿にされてしまった武夫を、はたして救い出せるのか。世界を揺るがす一大陰謀に、大隅学士たちが果敢に立ち向かう――。奇想天外な仕掛けと痛快な冒険にみちた、日本SFの先駆者・海野十三の空想科学冒険譚である。「みんな幸福になったねえ」と、月を仰いで呟く声とともに、物語は幕を閉じる。
登場人物
- 河村武夫 巨大甲虫の怪異に出くわす少年。のち辻川博士に捕らえられ変わりはてた姿にされる
- お美代 武夫と仲のよい少女
- 大隅学士 怪事件の謎を追う学者。記者の佐々と組んで辻川博士の邸に忍び入る
- 佐々記者 飛行船「空の虱」をあやつる新聞記者
- 辻川博士 怪物じみた巨大生物を造りあげた狂気の科学者
冒頭部(原文より)
ネス湖の怪物 「ほんとうかなア、――」 と、河村武夫はつい口に出してしまった。
「地球盗難」海野十三(青空文庫)
末尾部(原文より)
なるほど、番小屋の方から、少年と仲よしだったお美代の声が聞えてきた。 「みんな幸福になったねえ――」 大隅学士は、皎々と照りわたる月の面を仰いで誰に云うともなく呟いた。
「地球盗難」海野十三(青空文庫)
原文を読む
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