大宇宙遠征隊(海野十三)のあらすじ・登場人物
四万の日本人、宇宙へ
- SF
- 冒険
- 文字数
- 53,999字
- 読了目安
- 約1時間48分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
この作品について
1941年(昭和16年)4月号から「国民五年生」に連載された、海野十三の宇宙冒険小説。貴重な物質ムビウムを求め、総員4万余名の日本人が百七十の噴行艇(ロケット)で大宇宙へ旅立つ。その一艇アシビキ号に乗る少年・風間三郎の目を通して、月世界、火星と、スケールの大きな旅を描く。
あらすじ
今から50年後、百七十の噴行艇に乗った総員4万余名の日本人が、ムーア彗星にあるという貴重物質ムビウムを求めて大宇宙を飛んでいた。噴行艇アシビキ号で給仕をつとめる少年・風間三郎は、やかまし屋の艇夫長に叱られながら、重力装置の故障や宇宙塵の危機をくぐりぬける。一行は月面に降り、先住の生物らしき怪物と出会い、さらに火星で皿形の飛空機に乗る火星人とも接触する。アシビキ号は本隊と離れたまま、単独で大宇宙を突き進み、ついにムーア彗星で本隊と合流してムビウムの採集に成功する。
登場人物
- 風間三郎 噴行艇アシビキ号の給仕をつとめる少年
- 木曾九万一 三郎と同じく給仕をしている少年
- 松下梅造 やかまし屋の艇夫長
- 辻中佐 アシビキ号の艇長
- 緑川博士 ムビウム探しの計画を立てた科学者
冒頭部(原文より)
噴行艇は征く 黒いインキをとかしたようなまっくらがりの宇宙を、今おびただしい噴行艇の群が、とんでいる。 「噴行艇だ!」 噴行艇といっても、なんのことか、わからない人もあるであろう。噴行艇は、ロケットとも呼ばれていた時代があった。飛行機は、空をとぶことができるが、空気のないところではとべない。しかし噴行艇は、空気のないところでも、よくとべるのだ。艇尾へむけ、八本の噴管から、或る瓦斯を、はげしく噴きだすと、そのいきおいで、艇は前方にすすむのである。艇尾には、舵があって、これをうごかすと、とびゆく方向は、どうでもかわるのであった。大宇宙をとぶには、飛行機ではとてもだめであるが、この噴行艇なら、瓦斯のつづくかぎり、大宇宙をとぶことができる。 飛行機時代から、次にこの噴行艇時代にうつっていった。
「大宇宙遠征隊」海野十三(青空文庫)
末尾部(原文より)
この分では、最初の予定よりか、はるかに早く帰ることが出来そうである。 ――この詳しい珍しい話は、いずれ風間少年たちが帰って来てから、ゆっくりとしてくれることと思っている。 ただ最後に、或る日の朝のラジオニュースのことを伝えて置こう。それは誰でも万歳を叫ぶニュースなのだ。
「大宇宙遠征隊」海野十三(青空文庫)
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