不連続殺人事件(坂口安吾)のあらすじ・登場人物
読者への挑戦を挟む本格推理の傑作
- ミステリ
- 文字数
- 162,066字
- 読了目安
- 約5時間24分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
この作品について
坂口安吾の本格推理小説。1947年(昭和22年)から連載され、探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞した傑作。山中の旧家に集った文士たちの間で連続して起こる殺人を、読者への「挑戦」を挟みながら描く、日本本格ミステリの金字塔である。
あらすじ
昭和二十二年の夏、「私」は詩人・歌川一馬に招かれ、その山中の旧家でひと夏を過ごすことになる。歌川家に集ったのは、詩人や小説家、その妻や愛人たち——嫉妬と欲望の渦巻く、俗悪きわまる人間関係の一団だった。やがてこの閉ざされた館で、殺人が起こる。一つ、また一つと続く不可解な死。犯人は誰なのか、殺人はなぜ「不連続」なのか——探偵役の巨勢博士が謎に挑む。作者・坂口安吾は、物語の途中で「読者への挑戦」を挿入し、すべての手がかりは示された、真犯人を当ててみよと読者に迫る。乱れた愛憎劇を舞台にしながら、精緻に組み上げられた本格推理の論理——探偵作家クラブ賞を受賞し、日本本格ミステリの代表作として名高い、坂口安吾の長編である。
登場人物
- 私 歌川家に招かれた作家
- 歌川一馬 私を招いた詩人
- 巨勢博士 事件の謎に挑む探偵役
冒頭部(原文より)
一 俗悪千万な人間関係 昭和二十二年六月の終りであった。私は歌川一馬の呼びだしをうけて日本橋のツボ平という小料理屋で落ちあった。 「実はね、だしぬけに突飛なお願いだが、僕のうちで一夏暮してもらいたいのだ」 一馬の家は汽車を降りて、山路を六里ほどバスにのり、バスを降りてからも一里近く歩かなければならないという不便きわまる山中なのである。
「不連続殺人事件」坂口安吾(青空文庫)
末尾部(原文より)
これは作者の虚をついた妙作であった。熱心な答案をお寄せ下さった皆様方、又、愛読を賜わった皆様方に厚く御礼申し上げます。
「不連続殺人事件」坂口安吾(青空文庫)
名文
昭和二十二年六月の終りであった。私は歌川一馬の呼びだしをうけて日本橋のツボ平という小料理屋で落ちあった。
坂口安吾『不連続殺人事件』の書き出し。語り手の「私」が歌川一馬に呼び出されるところから、奇妙な一族の殺人劇が幕を開ける。
原文を読む
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