金属人間(海野十三)のあらすじ・登場人物
天才博士が生んだ怪金属
- SF
- ミステリ
- 文字数
- 78,618字
- 読了目安
- 約2時間37分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
この作品について
若き天才博士・針目左馬太が創造した謎の「金属Q」が引き起こす怪事件を描いた、探偵趣味の濃い少年向けSF長編。1947年(昭和22年)の暮れから雑誌「サイエンス」に連載された。密室の事件、不可解な負傷、人間に化ける怪物と、推理と恐怖が交錯する展開が続き、蜂矢探偵と検事らが知恵と勇気で怪物に立ち向かう。人造生命の脅威を扱った、海野十三の戦後の代表作の一つである。
あらすじ
世に知られない天才科学者・針目博士の研究室で、不可解な事件が相次ぐ。博士の遺した日記と研究ノートから、蜂矢十六探偵は、博士が「金属Q」という謎の物質を創り出そうとしていたことを知る。密室の事件、白昼の怪事、飛ぶ兇器と、事件は次第に迷宮化していく。探偵は長戸検事らと協力して怪物を追うが、怪金属Qは人の姿を借りて社会に入り込み、やがて二人の針目博士が現れるという異常事態へと発展する。
登場人物
- 蜂矢十六 事件を追う探偵。怪金属Qの存在を信じて調査を進める
- 長戸検事 蜂矢探偵と協力する検事
- 針目左馬太 若き天才科学者。金属Qを創造しようとした博士
- 小杉二郎 蜂矢探偵を助ける少年
冒頭部(原文より)
こんな文章 およそ世の中には、人にまだ知られていない、ふしぎなことがずいぶんたくさんあるのだ。 いや、ほんとうは、今の人々に話をして、ふしぎがられる話の方が、ふしぎがられない話よりもずっとずっと多いのだ。それは九十九対一よりも、もっととびはなれた比であろうと思う。 つまり、世の中は、ふしぎなことだらけなのだ。しかし、そう感じないのは、みなさんがたがどこにそんなふしぎなことがあるか知らないからだ。また、じっさいそのふしぎなものに行きあっていても、それがふしぎなものであることに、気がつかない場合が多い。
「金属人間」海野十三(青空文庫)
末尾部(原文より)
もしも万一、ふたりの説がほんとうで、怪金属Qが第二の爆発をのがれて、生命をまっとうしているとしたら、そのうちにきっと奇妙な事件がおこり、新聞やラジオの大きなニュースとして報道されるだろう。諸君は、それに細心の注意をはらっていなくてはならない。これは常識をこえたあやしい出来事だと思うものにぶつかったら、なにをおいても、検察当局へ急報するのが諸君の義務であると思う。 Qは、人間よりもすぐれた思考力と、そして惨酷な心とを持っているので、もしかれが生きていたなら、こんどはじめる仕事は、われわれの想像をこえた驚天動地の大事件であろうと思う。 ただに日本国内だけの出来事に注意するだけでなく、広く全世界、いや宇宙いっぱいにも注意力を向けていなくてはならない。 大魔力を持った人造生命の主人公Qこそ、小さい日本だけを舞台にして満足しているような、そんな小さなものではないのだから。
「金属人間」海野十三(青空文庫)
原文を読む
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