二人小町(芥川龍之介)のあらすじ・登場人物
黄泉の使と二人の小町
- 風刺
- 文字数
- 6,210字
- 読了目安
- 約12分
- 表記
- 新字新仮名
この作品について
芥川竜之介が戯曲の形で書いた短編。小野小町と玉造小町が、黄泉の使いを相手にそれぞれ嘘をつき、相手を身代わりにしようとする。四つの場面からなり、黄泉の使いの台詞を通して男女の関係を皮肉る。
あらすじ
二十一歳の小野小町のもとへ黄泉の使いが現れ、地獄へ連れて行こうとする。小町は、深草の少将の子を宿していると言って命乞いをし、同じ名前の玉造小町を身代わりに差し出す。使は玉造小町を背負って地獄へ向かうが、玉造小町は嘘を見抜き、使に取り入って、今度は小野小町を連れて行くよう約束させる。しかし使は、安倍晴明の加持を受けた三十番神に追い払われる。数十年後、年老いた二人は女乞食になっていた。二人は黄泉の使を呼び止め、連れて行ってほしいと頼むが、使は女に欺された経験を語り、受け合わずに去る。二人はその場に泣き伏す。
登場人物
- 小野の小町 身ごもっていると偽る歌人
- 玉造の小町 同じ名を持つ女
- 黄泉の使 兎の耳をした色黒の若者
- 三十番神 小町の屋根を護る神将
冒頭部(原文より)
小野の小町、几帳の陰に草紙を読んでいる。そこへ突然黄泉の使が現れる。黄泉の使は色の黒い若者。しかも耳は兎の耳である。 小町 (驚きながら)誰です、あなたは? 使 黄泉の使です。
「二人小町」芥川龍之介(青空文庫)
末尾部(原文より)
使 いけません。ではさようなら。(枯芒の中に消える) 小野の小町 どうしましょう? 玉造の小町 どうしましょう? 二人ともそこへ泣き伏してしまう。
「二人小町」芥川龍之介(青空文庫)
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