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怪星ガン(海野十三)のあらすじ・登場人物

怪星の捕虜となった救援隊

  • SF
  • 冒険

海野十三 1948年(昭和23年)1月 「冒険少年」

文字数
113,544字
読了目安
約3時間47分
表記
新字新仮名
種別
小説

この作品について

海野十三の戦後の長編少年SF。遭難した探検ロケット「宇宙の女王」号の救援に向かう救援艇に、探偵・帆村荘六と甥の三根夫少年が乗り込む。宇宙を進むうちに艇内で陰謀が発覚し、やがて一行は謎の天体「怪星ガン」に捕らわれる。そこで待っていたのは、姿の見えない支配者と、地球とは異なる文化を持つガン人たちだった。宇宙通信やテレ・ラジオ、宇宙線レンズ砲など、想像力に満ちた未来科学が次々に登場する、冒険と謎解きの長編である。

あらすじ

探偵の帆村荘六の甥、少年の矢木三根夫は、テレ・ラジオの臨時放送で、サミユル博士の率いる探検ロケット「宇宙の女王」号が消息を絶ったことを知る。ニューヨークから十台の救援ロケット艇が出発し、帆村と三根夫はテッド隊長の一号艇に同乗する。航海の途中、艇内に時限爆薬が仕掛けられていることが発覚し、社会事業家を名乗るガスコ氏の怪しい動きが明らかになる。やがて一行は怪星ガンに引き寄せられ、その地下の暗い世界に捕われてしまう。そこでガン人たちは親切に彼らを迎えるが、一行を地球に帰さないつもりらしかった。三根夫はガン人の少年ハイロと親しくなり、巨大な天蓋の秘密、怪星を襲う別の星アドロ彗星の脅威を知る。サミユル博士とも再会した隊員たちは、隙を見て脱出の計画を進める。

登場人物

冒頭部(原文より)

臨時放送だ! 「テレ・ラジオの臨時ニュース放送ですよ、おじさん」  矢木三根夫は、伯父の書斎の扉をたたいて、伯父の注意をうながした。  いましがた三根夫少年は、ひとりで事務室にいた。そしてニュースの切りぬきを整理していたのだ。すると、とつぜんあの急調子の予告音楽を耳にしたのだ。 (あッ、臨時放送がはじまる。何ごとだろうか)と、三根夫は椅子からとびあがって、テレ・ラジオのほうを見た。その予告音楽は、そこから流れでていたし、またその上の映写幕には目にうったえて臨時放送のやがてはじまるのを、赤と藍とのだんだら渦巻でもって知らせていた。

「怪星ガン」海野十三(青空文庫)

末尾部(原文より)

 ただざんねんなのは、ガンマ和尚が、あれほど熱心に希望したガン星文化の資料が、本艇へとどけられないうちに、本艇はガン星からとびだしてしまったことだ。テッド博士はざんねんがっている。そしておなじ志のポオ助教授と帆村荘六とが、いまは博士の下で、『ガン星およびガン人の研究』という論文をつくっているという話だ。最後に、地球から見たガン星の最後について、一言のべておこう。天文台は急速にちかづく彗星を発見して、ただちに全世界の天文台へ通報した。  この彗星の速度は、じゅうらいの彗星よりもはなはだ速く、そしてその翌日には、あっというまに、地球と火星の間を抜けて飛び去った。それは深夜のことだったが、通過のさいは、約三時間にわたり、まるで白昼のように明かるかったという。そしてその彗星は、ひとつのものと思われ、テッド隊員がしきりに知りたがっているようなガン星の姿はぜんぜんみとめられなかったという。それから考えると、おそらくもうそのときまでに、ガン星はアドロ彗星の腹中へおさまっていたのであろう。ガンマ和尚やハイロ君の運命については、もちろんなにも知られていない。  宇宙は広大であり、古今は長い。そして地球人類の科学知識はあまりにもうすく、そしてせまい。われらは、自然科学について知ること、あたかも盲人が巨象の片脚の爪にさわったよりも知ることがすくないのだ。われわれは、いそいで勉強しなくてはならぬ。それは地球人類のゆるぎなき幸福のために、ぜひひつようなのである。

「怪星ガン」海野十三(青空文庫)

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