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佳日(太宰治)のあらすじ・登場人物

北京から来た花婿の婚礼

  • 心理
  • 風刺

太宰治 1944年(昭和19年)1月 「改造」

文字数
14,912字
読了目安
約30分
表記
新字新仮名
種別
小説
舞台
  • 東京都

この作品について

太宰治の短編。1944年(昭和19年)1月、雑誌「改造」に発表された。北京へ渡って五年になる大学時代の友人から、突然、結納と結婚式の支度を頼まれた「私」が、不慣れな世話役として奔走する。作者の友人をモデルとし、のちに映画化もされた。戦時下の暗さのなかで、人情味のあるユーモアと静かな感動を描いたことで知られる。

あらすじ

北京へ渡って五年になる大学同期の大隅忠太郎から、「結納を送った」「結婚式の支度をせよ」という電報と百円の為替が「私」に届く。縁談をまとめていた山田勇吉が病気で帰郷したため、世話は「私」が引き継ぐことになった。「私」は、先方の小坂吉之助氏を訪ねて結納を届け、恩師の瀬川先生に媒酌人を頼む。小坂家の婿たちが戦死あるいは出征中とは知らず、「私」は無神経な質問をしてしまい、あとで大隅にそれを知らされて恥じ入る。数日後、北京から着いた大隅は、結婚に気乗りしないかのような大物ぶった態度をとり、「私」を怒らせる。瀬川先生は、大隅はてれているだけだと諭す。四月二十九日、目黒の中華料理店で挙げた結婚式の日、礼服のない大隅のために、小坂家の長女が、戦死した夫のモーニングを貸すと言い、次女は、夫が出征中だからと貸さなかった。大隅は涙を流しながら笑う。

登場人物

冒頭部(原文より)

これは、いま、大日本帝国の自存自衛のため、内地から遠く離れて、お働きになっている人たちに対して、お留守の事は全く御安心下さい、という朗報にもなりはせぬかと思って、愚かな作者が、どもりながら物語るささやかな一挿話である。

「佳日」太宰治(青空文庫)

末尾部(原文より)

けれども、やがて、上の姉さんが諏訪法性の御兜の如くうやうやしく家宝のモオニングを捧げ持って私たちの控室にはいって来た時には、大隅君の表現もまんざらでなかった。かれは涙を流しながら笑っていた。

「佳日」太宰治(青空文庫)

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