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火星探険(海野十三)のあらすじ・登場人物

少年たち、宇宙の旅へ

  • SF
  • 冒険

海野十三 1945年(昭和20年)12月 「サイエンス」

文字数
77,522字
読了目安
約2時間35分
表記
新字新仮名
種別
小説

この作品について

アメリカの少年たちが、ふとした偶然から宇宙船に乗り込み、火星へ向かう宇宙冒険譚。終戦直後の1945年12月から雑誌「サイエンス」に連載された、海野十三の宇宙SF。夏休みの自動車旅行を計画していた四人の少年が、秘密の研究団体が造る巨大な塔の内部へ迷い込み、空飛ぶ塔とともに地球を離れる。火星の生物との出会いや平和への願いを軽妙な筆致で描いた作品である。

あらすじ

夏休みにコロラド大峡谷へキャンプに出かける計画を立てていた山木と河合、そして友人の張とネッドの四少年は、ひょんなことから赤三角研究団の本部に迷い込む。そこにあった塔は、実は宇宙へ飛び立つ船だった。四少年を乗せたまま、塔は地球を離れ、火星へ向かう。火星では異形の生物たちに出会い、少年たちは地球の代表として彼らと対面することになる。やがて火星との間に平和的な協力関係が結ばれ、少年たちは凱旋する。

登場人物

冒頭部(原文より)

すばらしい計画  夏休みになる日を、指折りかぞえて待っている山木健と河合二郎だった。  夏休みが来ると二人はコロラド大峡谷一周の自動車旅行に出る計画だった。もちろん自動車は二人がかわるがわる運転するのだ。往復に五週間の日数があててあった。これだけ日数があれば、憧れの大峡谷で十分にキャンプ生活が楽しめるはずだった。  二人は、この大旅行に出ることが非常にうれしかったので、前々から近所の友だちにもふれまわっておいた。友だちはそれを聞いてうらやましがらない者はなかった。そしてぜひいっしょに連れて行ってくれと頼まれるのだった。しかし二人はそれを断りつづけた。というのは、二人が使うことになっている自動車にいささかわけがあったのである。何しろ二人とも親許をはなれている少年だったので、おこづかいは十分というわけには行かなかった。そこで学業のひまに新聞を売ったり薪を割ったりして働いて得た金を積立てて自動車を買うわけであるから、あまり立派なものは手に入らなかった。今二人が頼んであるのは、牧場で不用になった牛乳配達車であり、しかもエンジンが動かなくなって一年も放りだしてあったというたいへんな代物で、二人にはキャンプ材料に食糧を積むのがせいいっぱいであると思われた。

「火星探険」海野十三(青空文庫)

末尾部(原文より)

 しかしデニー博士は重要な仕事を持っていたので、火星使節団とわが世界代表との間に立って連日大奮闘をした。しかしその甲斐あって、双方の間にひろい協力の条約が成立し、地球と火星との定期航空路も共同経営をすることに決まった。そしてなお更に一歩進んでわが太陽系惑星が平和連合星団を建設することに話がまとまった。  デニー博士はやがて、火星に永住することとなった。博士は駐火星地球大使に任ぜられたのである。博士の銅像はニューヨークと、もう一つデニー塔のあったアリゾナの二ヶ所に建てられた。  四少年は、褒美のお金によって、すばらしい自動車と飛行機を買うことが出来、それを乗りまわしている。その自動車と飛行機には例の大きな牝牛が描かれてあるということだ。

「火星探険」海野十三(青空文庫)

原文を読む

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