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恐竜艇の冒険(海野十三)のあらすじ・登場人物

恐竜の姿で潜水艇が行く

  • 冒険
  • 風刺

海野十三 1948年(昭和23年)6月 「少年読物」

文字数
10,806字
読了目安
約22分
表記
新字新仮名
種別
小説

この作品について

1948年(昭和23年)に「少年読物」別冊に発表された、海野十三の冒険ユーモア小説。夏休みの退屈をもてあました二人の少年ジミーとサムが、熱帯の多島海で恐竜そっくりの潜水艇を作り、思いもよらぬ大騒動を巻き起こす。ジミーの語り口で進む軽快な一篇である。

あらすじ

夏休みが退屈でたまらないジミーとサムは、熱帯の多島海へ冒険旅行に出かけることにした。現地のホテルで二人は小型の潜水艇を手に入れ、ある計画を思いつく。それは恐竜の首をそなえた潜水艇、「恐竜艇」をつくって人々を驚かせることだった。夜陰にまぎれて出航した二人は、いたずらの祟りで大騒ぎを招き、やがて海辺に本物の恐竜が現れる。二人は命からがら逃げ帰り、後に冒険を放送や本にして成功をおさめる。

登場人物

冒頭部(原文より)

二少年  みなさん、ジミー君とサム君とを、ご紹介いたします。  この二少年が、夏休みに、熱帯多島海へあそびに行って、そこでやってのけたすばらしい冒険は、きっとみなさんの気にいることでしょう。  さあ、その話をジミー君にはじめてもらいましょう。  おっと、みなさん。お忘れなく、ハンカチをもって、こっちへ集まってきて下さい。なぜって、みなさんはこの話を聞いているうちに、手の中にあつい汗をにぎったり、背中にねっとりと冷汗をにじみ出させたりするでしょうからねえ。いや、まだあります。おへそが汗をかくこともあるのですよ。  では、ジミー君。どうぞ……。

「恐竜艇の冒険」海野十三(青空文庫)

末尾部(原文より)

 ギネタ湾頭の浅瀬に艇をのしあげて、ぼくたちは「やれやれ助かった」と思った。ぼくたちは艇をとび出して、水を渡って海岸の砂の上に馳けあがり、気のゆるみで二人とも、人事不省に陥った。  ぼくたちは知らなかったが、近くにいた人々は胆をつぶしたそうな。そうでもあろう。全速力で恐龍が海岸めがけて押し寄せて来たと思ったら、浅瀬にのしあげ、中から二人の少年がとび出してきて、砂の上でひっくりかえってしまったんだから。  ホテルでも、ぼくたちが三日三晩も、もどらないものだから、恐龍にさらわれたにちがいないと、手わけして探していたそうである。  ぼくたちは運よく生命を拾って、本国へもどることが出来た。いろいろ大損害もしたけれど、その後「恐龍艇の冒険」だの「恐龍を見た話」などを放送したり、本にして出版したりしたので、たいへん儲って金もちになった。このつぎの休暇には、日本へ行ってみたい。こんどサムに相談してみよう。

「恐竜艇の冒険」海野十三(青空文庫)

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