未来の地下戦車長(海野十三)のあらすじ・登場人物
地底を駆ける夢の戦車
- SF
- 冒険
- 文字数
- 41,921字
- 読了目安
- 約1時間24分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
この作品について
電灯会社に勤める十六歳の少年・岡部一郎は、「未来の地下戦車長、岡部一郎」という文字を毎朝習字する。地面の下をもぐって進む戦車を作る夢をもち、もぐらを研究し、失敗を重ね、やがて軍に入って実現に挑む。少年の発明への情熱を描く、海野十三の少年向け科学小説。
あらすじ
岡部一郎は十六歳で、電灯会社に勤める少年。毎朝、「未来の地下戦車長、岡部一郎」と書いて手習いをするのが日課だった。友人には「そんなものは作れない」と笑われるが、一郎は新聞の切抜帳で戦車を研究し、穴を掘り、扇風機を改造した試作に失敗しながらも、土を掘る名人のもぐらを観察して工夫を重ねる。やがて軍に入り、上官から地下戦車の設計を命じられた一郎は、試運転の失敗や周囲の励ましを経て、第二号の完成にたどり着く。
登場人物
- 岡部一郎 地下戦車を作ることを夢見る少年
- 松木亮二 一郎の友人で、夢を信じない
- 小田さん 電灯会社の係長で、一郎を見守る
- 加瀬谷少佐 地下戦車の設計を一郎に命じる軍人
冒頭部(原文より)
かわった手習い 岡部一郎という少年があった。 彼は、今年十六歳であった。 彼の家は、あまりゆたかな生活をしていなかった。それで彼は、或電灯会社につとめて、もっぱら電灯などの故障の修理を、仕事としている。なかなか一生けんめいに働く一郎であった。 彼は、中学校へもあがれなかったが、技術は大好きであった。そのうち、電気工事人の試験をうけて、一人前の電気工になろうと思い会社の係長さんに、いつも勉強をみてもらっている。
「未来の地下戦車長」海野十三(青空文庫)
末尾部(原文より)
「いや、まだ成功はして居りません」 「なに、成功をしとらんというのか」 「はい。操縦してみまして、まだまだ気に入らないところを沢山発見しました。自分は、さらに改良の第三号を作りたいと思います。それが完成すれば、どうやらこうやら、皇軍機械化部隊のお役に立つことと思います」 岡部一郎は、この輝かしい成功の誉をしりぞけて、どこまでも謙遜したのは、床しきかぎりであった。
「未来の地下戦車長」海野十三(青空文庫)
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