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餅のタタリ(坂口安吾)のあらすじ・登場人物

餅を食う男への村の仕打ち

  • 風刺

坂口安吾 1954年(昭和29年)1月 「講談倶楽部」

文字数
8,869字
読了目安
約18分
表記
新字新仮名
種別
小説
舞台
  • 群馬県

この作品について

1954年1月『講談倶楽部』に載った短編。新年に餅を食べず、ウドンですます上州の村で、ただ一人餅をつく家が、池の鯉を狙う泥棒の疑いをかけられる。餅の出来を証拠に論じ合う寄り合いの屁理屈と、隣家同士の意地の張り合いを語る農村喜劇である。

あらすじ

新年に餅を食べず、門松も立てず、ウドンを三箇日食べる上州の村。池に鯉を飼う円池の平吉は、大晦日の夜、池の氷を割る泥棒を追い払い、あとに残された釣り竿と、手拭いに包んだ焼き餅を拾う。村でただ一人餅を食べる隣家の杉の木の助六が犯人だと見当をつけ、元日の寄り合いで餅を証拠に突きつける。助六は、粗製の賃餅で自分の家の餅とは違うと証明しようとするが、村人の屁理屈に押し切られて犯人と決められ、寝込んでしまう。村では助六の臼と杵が焼き払われ、助六はパチンコに入れ込んだあげく、自慢の杉の木を切り倒し、倒れた場所にパチンコ屋を開く。店は繁盛しない。

登場人物

冒頭部(原文より)

 土地によって一風変った奇習や奇祭があるものだが、日本中おしなべて変りのないのは新年にお餅を食べ門松をたてて祝う。お雑煮の作り方は土地ごとに大そうな違いはあるが、お餅を食べ門松をたてて新春を祝うことだけは日本中変りがなかろうと誰しも思いがちである。

「餅のタタリ」坂口安吾(青空文庫)

末尾部(原文より)

 しかし店は繁昌しなかった。昔憲兵伍長だった男が彼のこの挙を評して、ヒットラーの策戦よりも意表をつくものだと云ったが、どうやら助六もヒットラーと同じように失敗した様子である。要するに餅のタタリだと云われている。

「餅のタタリ」坂口安吾(青空文庫)

原文を読む

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