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桃太郎(楠山正雄)のあらすじ・登場人物

ドンブラコッコ、スッコッコ

  • 冒険
  • 幻想

楠山正雄 1921年(大正10年)

文字数
5,440字
読了目安
約11分
表記
新字新仮名

この作品について

川から流れてきた桃から生まれた桃太郎が、犬・猿・きじを家来にして鬼が島へ向かう。楠山正雄が日本の昔話を再話した一編。桃を呼び寄せるおばあさんの歌や、きび団子をつく音など、声に出して楽しめる言葉が物語を彩る。

あらすじ

むかしむかし、おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。ある日、川上から「ドンブラコッコ、スッコッコ」と大きな桃が流れてきます。おばあさんが持ち帰った桃はぽんと二つに割れ、元気な男の赤んぼうが飛び出しました。桃から生まれたので桃太郎と名づけられたその子は、近所の村じゅうで相撲の相手がいないほど強く育ちます。十五になった桃太郎は、遠い海のはてに鬼が島があり、悪い鬼どもが諸国からかすめ取った宝を守っていると聞き、鬼退治を決意しました。おじいさんとおばあさんがこしらえた日本一のきび団子を腰に下げ、旅立った桃太郎は、道々で犬・猿・きじに団子を分け与え、三匹を家来にします。海辺につないであった船で鬼が島に渡った一行は、きじが空から鬼の目を突き、猿が城門を内から開け、犬が向こうずねに食らいついて、たちまち鬼どもを打ち負かしました。組み伏せられた鬼の大将は涙をこぼして降参し、かくれみの・かくれ笠・うちでの小づち・如意宝珠など、山のような宝物をさし出します。宝を車に積んで意気揚々と故郷に帰った桃太郎を、おじいさんとおばあさんは目も鼻もなくして喜んで迎えました。空は青々と晴れ上がり、庭には桜の花が咲き乱れていたのでした。

登場人物

冒頭部(原文より)

 むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。まいにち、おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。  ある日、おばあさんが、川のそばで、せっせと洗濯をしていますと、川上から、大きな桃が一つ、 「ドンブラコッコ、スッコッコ。 ドンブラコッコ、スッコッコ。」  と流れて来ました。

「桃太郎」楠山正雄(青空文庫)

末尾部(原文より)

 犬はワン、ワンとうれしそうにほえながら、前足で立ちました。  猿はキャッ、キャッと笑いながら、白い歯をむき出しました。  きじはケン、ケンと鳴きながら、くるくると宙返りをしました。  空は青々と晴れ上がって、お庭には桜の花が咲き乱れていました。

「桃太郎」楠山正雄(青空文庫)

名文

ドンブラコッコ、スッコッコ。

川上から大きな桃が流れてくる場面の擬音。楠山正雄の再話では、この節をつけた響きで桃がおばあさんの前へ流れ寄る。

お腰に下げたものは、何でございます。

犬や猿が桃太郎を呼び止めるときの問い。答えは「日本一のきびだんごさ」。家来が一匹ずつ加わる場面で繰り返される。

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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