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猿かに合戦(楠山正雄)のあらすじ・登場人物

早く芽を出せ、柿の種

  • 幻想

楠山正雄 1921年(大正10年)

文字数
3,335字
読了目安
約7分
表記
新字新仮名

この作品について

「早く芽を出せ、柿の種。出さぬと、はさみでちょん切るぞ」——おむすびと柿の種を交換したかにが猿にだまされ、栗・蜂・昆布・臼が力を合わせて仇を討つ。日本の五大昔話の一つを、楠山正雄がはやし歌の調子を生かして再話した一編である。

あらすじ

猿とかにが連れだって遊びに出た日、猿は柿の種を、かにはおむすびを拾った。おむすびが欲しくてたまらない猿は、「柿の種はまけば木になっておいしい実がなるよ」と言いくるめ、大きなおむすびと種を取りかえてしまう。かには庭に種をまき、「早く芽を出せ、柿の種。出さぬと、はさみでちょん切るぞ」と毎日はやし立てた。芽は伸び、木となり、やがて赤い実がたわわに実る。だが背の低いかには実に手が届かず、木にも登れない。そこへ猿が来て、取ってやろうと木に登り、自分は熟れた実を食べながら、かにには青くて堅い渋柿を投げつけた。かには柿にあたって、そのまま死んでしまう。残された子がにの前に、栗と蜂と昆布と臼が集まり、仇討ちの相談をした。一同は猿の留守に家へ出かけ、栗が炉の灰の中に、蜂が水がめの陰に、昆布が敷居の上に、臼がかもいの上に身をひそめる。夕方帰ってきた猿が炉ばたに座ると、焼けた栗がはね出して鼻面をける。台所へ逃げれば蜂が目の上を刺し、外へ逃げ出そうとすれば昆布ですべって転び、その上に臼がどさりと落ちて重しになった。うんうんうなる猿のところへ、庭の隅から子がにがちょろちょろはい出してきて、「親のかたき、覚えたか」と猿の首をはさみではさんだのだった。

登場人物

冒頭部(原文より)

 むかし、むかし、あるところに、猿とかにがありました。  ある日猿とかにはお天気がいいので、連れだって遊びに出ました。その途中、山道で猿は柿の種を拾いました。またしばらく行くと、川のそばでかにはおむすびを拾いました。かには、 「こんないいものを拾った。」  と言って猿に見せますと、猿も、 「わたしだってこんないいものを拾った。」  と言って、柿の種を見せました。

「猿かに合戦」楠山正雄(青空文庫)

末尾部(原文より)

 猿は赤い顔をありったけ赤くして苦しがって、うんうんうなりながら、手足をばたばたやっていました。  そのとき、お庭の隅から子がにがちょろちょろはい出してきて、 「親のかたき、覚えたか。」  と言いながら、はさみをふり上げて、猿の首をちょきんとはさみではさんでしまいました。

「猿かに合戦」楠山正雄(青空文庫)

名文

早く芽を出せ、柿の種。

かにが柿の種をまいて唱える言葉。「出さぬと、はさみでちょん切るぞ」と続き、芽、木、実と節を変えて繰り返される。

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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