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長町女腹切(近松門左衛門)のあらすじ・登場人物

祟る脇差が、伯母に腹を切らせる

  • 恋愛
  • 古典

近松門左衛門 1712年

文字数
16,271字
読了目安
約33分
表記
新字旧仮名
舞台
  • 京都府
  • 大阪府

この作品について

近松門左衛門の人形浄瑠璃。1712年(正徳2年)に大坂・竹本座で初演された世話物で、上・中・下の三巻から成る。大坂の長町で女が切腹した出来事を題材にしたとされる(実説は不明)。京の刀屋・石見の手代の半七は、石垣町の遊女お花と深い仲になっている。お花の継父は年季の延長を迫って金を求め、半七は店の信国の脇差を売り、よく似た下坂の脇差とすり替えて二十両を作り、お花の継父に渡す。二人は大坂の長町で伽羅細工を営む半七の伯母夫婦のもとへ逃れるが、すり替えが露見する。伯母は、この脇差が祖父の代から一家に祟ってきた因縁の品であると語り、罪を一身に負って、その脇差で腹を切る。題名の「女腹切」は、この伯母の最期を指す。本書は「近代日本文学大系」第6巻(国民図書、1927年)による原文で、国立国会図書館が公開する底本の画像とOCRテキストを照らし合わせて起こし、収録した。

あらすじ

【上之巻】京の下立売の刀屋・石見の店で、主人は職人たちを急がせている。手代の半七は昨日から頭痛と称して寝ていた。そこへ、大坂から半七の伯母と名乗る女が訪ねてくる。実は石垣町の遊女お花が、半七に会いたさに変装して来たのだった。主人は半七を打ち叩くが、そこへ本物の伯母が現れ、お花を自分の妹と言いつくろって場を収める。伯母は主人に、信国の脇差の拵えを頼む。伯母は半七に、その脇差にまつわる家の因縁を語って聞かせる。祖父は、風の一字銘のある脇差を買って高木宮内と争い、討ち果たして切腹した。父も早世し、脇差は家に祟る品だという。【中之巻】石垣町の茶屋で、お花の継父の九兵衞が、年季を延ばして二十両を出せと迫る。半七は飛び込み、二十両を投げ出して争う。実は半七は、預かった信国の脇差を売り、下坂の脇差に銘を彫らせてすり替え、その差額で金を作っていた。お花を連れて逃げた半七は、大坂の長町の伯母の家へ向かう。【下之巻】伯母は、二人が隠れた長持の蓋を押さえる。帰った甚五郎が、すり替えを知って嘆く。伯母は脇差を取り、半七の罪をわが身に引き受けて腹を切る。甚五郎が介錯を申し出るが、伯母は自ら喉を切り、近所の人々が駆けつける中で息絶える。

登場人物

冒頭部(原文より)

例の童の言の葉に、言ひよる品もよし蘆の、難波の京の物語、今の狂歌に取りなせし、京童の口吟落首洛外とり/\に、その一節を絵双紙や、下立売を堀河へ、引き廻したる角屋敷、

「長町女腹切」近松門左衛門(青空文庫)

末尾部(原文より)

町代夜番が棒ちぎり木、ばつたくさばにおく霜の、はかなき命南無阿弥陀、南無阿弥陀仏疑ひなき、西方極楽浄瑠璃に、語りて哀れを留めける。

「長町女腹切」近松門左衛門(青空文庫)

原文を読む

原文はアプリに収録しています(縦書きで読めます)。底本:「近代日本文学大系」第6巻 近松門左衛門集 上(国民図書、1927年)。国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている底本の画像と、同館「次世代デジタルライブラリー」のOCRテキスト(パブリック・ドメイン)をもとに、画像と照らし合わせて起こし、本文だけを収録した(ルビ・註の印・曲節の指定・場面の題・解題・註釈は省いた)。旧字は新字に改めた(仮名遣いは底本のまま)。

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