アプリで読む

無料・登録不要

長崎小品(芥川龍之介)のあらすじ・登場人物

戸棚の中の南蛮たちの恋

  • 幻想
  • 風刺

芥川龍之介 1922年(大正11年)6月 「サンデー毎日」

文字数
2,571字
読了目安
約5分
表記
新字旧仮名
舞台
  • 長崎県

この作品について

長崎の南蛮・紅毛趣味を題材に、芥川竜之介が戯曲の形で書いた小品。ガラス戸棚の中の蒐集品が、人間のように話し合う。伊万里の甲比丹、小柄の伴天連、麻利耶観音など、切支丹や長崎絵にちなむ品々が登場する。

あらすじ

初夏の午後、ガラス戸棚の中で、司馬江漢筆の蘭人が悲しげに歎息する。鸚鵡が、蘭人は阿蘭陀出来の皿に描かれた女に恋をしていると明かす。古伊万里の甲比丹や小柄の伴天連、麻利耶観音らが取りなしを試みる。しかし皿の女は、日本出来の相手など虫が好かないと、きっぱり拒む。亀山焼の南蛮女が代わりに世話をすると言い出したところへ、この家の主人が客を連れて戸棚の前に現れる。客は、皿の女の絵が濡れていることに気づき、悪口を言われて泣いたのかと冗談を言う。さらに、基督や麻利耶観音が笑ったような気がして、一同は戸棚の前を去る。

登場人物

冒頭部(原文より)

 薄暗き硝子戸棚の中。絵画、陶器、唐皮、更緲、牙彫、鋳金等種々の異国関係史料、処狭きまでに置き並べたるを見る。初夏の午後。遙にちやるめらの音聞ゆ。

「長崎小品」芥川龍之介(青空文庫)

末尾部(原文より)

 客の他の一人、何だかあの基督が笑つたやうな気がしたのです。  客の一人、わたしは麻利耶観音が笑つたやうに見えた。  主人、気のせゐでせう。  主客静かに硝子戸棚の前を去る。再びかすかにちやるめらの音。

「長崎小品」芥川龍之介(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

青空文庫の図書カード

同じ作家の作品

近い作品