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鼠小僧次郎吉(芥川龍之介)のあらすじ・登場人物

鼠小僧を名乗る間抜け

  • 風刺
  • 歴史

芥川龍之介 1920年(大正9年)1月 「中央公論」

文字数
12,341字
読了目安
約25分
表記
新字旧仮名
種別
小説

この作品について

江戸の船宿で、三年ぶりに戻った博徒の親分が子分に旅の出来事を語る、会話の多い短編。甲州街道の宿で、自分を鼠小僧だと名乗った男の騒動が、江戸言葉の啖呵とともに再現される。「中央公論」に掲載された。

あらすじ

初秋の日暮、汐留の船宿で、三年ぶりに江戸へ帰った親分が、子分と酒を酌んでいる。子分が鼠小僧への思い入れを語ると、親分は旅先で見た「御茶番」の話を始める。三年前、江戸を売って甲州街道を旅していた親分は、越後屋重吉という男と道連れになり、八王子の宿に泊まる。夜中、重吉は親分の胴巻を盗もうとして捕まり、宿の者たちに縛られる。すると重吉は「おれが鼠小僧だ」と大見得を切り、宿の者たちは態度を一変させ、酒まで出す。親分が正体を問い詰めると、重吉は女房に逃げられた出来心の小間物屋だと白状し、皆に袋叩きにされる。話を終えた親分は、三年前に江戸で噂の高かった鼠小僧とは、自分のことだと明かす。

登場人物

冒頭部(原文より)

 或初秋の日暮であつた。  汐留の船宿、伊豆屋の表二階には、遊び人らしい二人の男が、さつきから差し向ひで、頻に献酬を重ねてゐた。

「鼠小僧次郎吉」芥川龍之介(青空文庫)

末尾部(原文より)

 剳青のある、小柄な男は、まだ云ひ争ひたい気色を見せたが、色の浅黒い、唐桟の半天を羽織つた男は、悠々と微笑を含みながら、 「はて、このおれが云ふのだから、本望に違え無えぢや無えか。手前にやまだ明さなかつたが、三年前に鼠小僧と江戸で噂が高かつたのは――」  と云ふと、猪口を控へた儘、鋭くあたりへ眼をくばつて、 「この和泉屋の次郎吉の事だ。」

「鼠小僧次郎吉」芥川龍之介(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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