庭(芥川龍之介)のあらすじ・登場人物
荒れた庭を築く放蕩の叔父
- 家族
- 心理
- 文字数
- 5,430字
- 読了目安
- 約11分
- 表記
- 新字旧仮名
- 種別
- 小説
この作品について
宿場の本陣だった旧家の庭と、その家の人々の没落を描く短編。「上」「中」「下」の三章からなり、荒れた庭を元に戻そうとする放蕩者の次男と、甥の廉一との交流が中心となる。
あらすじ
宿場の本陣だった中村家の庭は、維新後しだいに荒れ、家の人々も相次いで世を去る。隠居が急死し、長男も肺病で亡くなり、その妻も病没して、残された幼い廉一は祖母と寝起きする。十年後、駆落ちした次男が、悪疾を抱えて帰ってくる。次男は仏間にこもっていたが、母の唄を聞いて何かを思い立ち、庭を元に戻そうと鍬を握る。やがて廉一が手伝い、二人は池を掘り、木を植えるが、次男は庭の記憶が混乱して、作業は進まない。秋、庭がどうにか形になると、次男は床につき、誰にも気づかれず息を引き取る。その後、庭は家ごと壊されて停車場になり、廉一は東京で画家を志して、毎日絵を描いている。
登場人物
- 次男 駆落ちして帰った放蕩者
- 廉一 長男の遺児
- 三男 本家を継ぐ弟
- 祖母 中村家の老母
冒頭部(原文より)
それはこの宿の本陣に当る、中村と云ふ旧家の庭だつた。 庭は御維新後十年ばかりの間は、どうにか旧態を保つてゐた。
「庭」芥川龍之介(青空文庫)
末尾部(原文より)
廉一は今でも貧しい中に、毎日油画を描き続けてゐる。三男の噂は誰も聞かない。
「庭」芥川龍之介(青空文庫)
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