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女体(芥川龍之介)のあらすじ・登場人物

虱になって見た妻の体

  • 幻想
  • 風刺

芥川龍之介 1917年(大正6年)10月 「帝国文学」

文字数
1,092字
読了目安
約2分
表記
新字新仮名
種別
小説

この作品について

夏の夜、虱になった楊が、眠る妻の裸身を山のように眺める幻想を描いた掌編。「帝国文学」に掲載された。

あらすじ

蒸し暑い夏の夜、中国人の楊は、寝床の縁を這う虱を眺め、虫の世界を想像するうち、意識がおぼろになって、自分の魂が虱の体に入ってしまう。目の前に、白く滑らかな高い山がそびえており、それが眠る妻の乳房だと気づくと、愛憎も性欲も忘れて、その巨大な美しさに見入る。楊は、虱になってはじめて、妻の肉体の美しさをありのままに見ることができた。語り手は、芸術の士にとって、虱のように見るべきものは、女体の美しさだけではないと結ぶ。

登場人物

冒頭部(原文より)

 楊某と云う支那人が、ある夏の夜、あまり蒸暑いのに眼がさめて、頬杖をつきながら腹んばいになって、とりとめのない妄想に耽っていると、ふと一匹の虱が寝床の縁を這っているのに気がついた。部屋の中にともした、うす暗い灯の光で、虱は小さな背中を銀の粉のように光らせながら、隣に寝ている細君の肩を目がけて、もずもず這って行くらしい。細君は、裸のまま、さっきから楊の方へ顔を向けて、安らかな寝息を立てているのである。

「女体」芥川龍之介(青空文庫)

末尾部(原文より)

 しかし、芸術の士にとって、虱の如く見る可きものは、独り女体の美しさばかりではない。

「女体」芥川龍之介(青空文庫)

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