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三右衛門の罪(芥川龍之介)のあらすじ・登場人物

行司の依怙と闇討ち

  • 歴史
  • 心理

芥川龍之介 1924年(大正13年)1月 「改造」

文字数
7,133字
読了目安
約14分
表記
新字新仮名
種別
小説
舞台
  • 石川県

この作品について

加賀藩の馬廻り役細井三右衛門が、闇討ちをしかけてきた若者を返り討ちにした事件を、聡明な藩主治修が自ら尋問する短編。数日前の道場の試合で、三右衛門が下した判定の事情が、問答を通じて明らかになる。武士の公正さと情のあいだの揺れが主題。

あらすじ

文政四年の師走、加賀藩の馬廻り細井三右衛門は、相役の次男数馬から闇討ちをしかけられ、返り討ちに斬り殺す。藩主の治修は、何事も自ら判断を下さずにはいられない聡明な主で、鷹匠の賞罰にもそれが表れていた。治修は三右衛門を召し、数馬が恨みを抱いた心当たりを問う。三右衛門は、数日前の道場の納会で行司を務め、数馬と多門の試合を判じたと答える。数馬のほうを勝たせたいと思うあまり、かえって公平を期そうとして多門に有利な判定を重ね、数馬の大事な試合を台無しにしたのだという。斬り払った瞬間に相手が数馬と悟ったのも、そのためかもしれない。それなら打ち果たさずに済んだのではと治修が問うと、三右衛門は昂然と顔を上げ、自分は藩の家来であり侍でもあるのだから、狼藉者に情けはかけないと答える。

登場人物

冒頭部(原文より)

 文政四年の師走である。加賀の宰相治修の家来に知行六百石の馬廻り役を勤める細井三右衛門と云う侍は相役衣笠太兵衛の次男数馬と云う若者を打ち果した。それも果し合いをしたのではない。ある夜の戌の上刻頃、数馬は南の馬場の下に、謡の会から帰って来る三右衛門を闇打ちに打ち果そうとし、反って三右衛門に斬り伏せられたのである。

「三右衛門の罪」芥川龍之介(青空文庫)

末尾部(原文より)

とは云えまた侍でもございまする。数馬を気の毒に思いましても、狼藉者は気の毒には思いませぬ。」

「三右衛門の罪」芥川龍之介(青空文庫)

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