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青年と死(芥川龍之介)のあらすじ・登場人物

姿なき男と死の問答

  • 幻想
  • 心理

芥川龍之介 1914年(大正3年)9月 「新思潮」

文字数
3,848字
読了目安
約8分
表記
新字新仮名

この作品について

「竜樹菩薩に関する俗伝より」と副題のつく、場面転換をはさんだ短い戯曲。後宮の女たちのもとへ、声だけが聞こえて姿の見えない男が通うという不思議な噂が、姿を消すマントを着た二人の青年と、現れる「死」との対話へつながっていく。初期の芥川の観念的な一面が表れた作品。

あらすじ

後宮の妃たちが次々に身ごもるが、相手の男がわからない。宦官たちは、足跡で突き止めようと廊下に砂を撒かせる。一方、二人の青年AとBは、かつてウパニシャッドの哲学や生死を論じた日々を懐かしみながら、姿が消えるマントをまとい、毎夜後宮へ忍んでいる。Aは死を忘れた快楽は欺瞞だと言い、Bはそんなことを考える気はないと言う。夜明け前、足跡を追う兵士に追われた二人の前に、黒い覆面の男が現れ、自分は死だと名乗る。Bは命乞いをするが、その場に倒れて死ぬ。死を待っていたAに男は覆面を外してみせ、顔は思いのほか美しい。第三の声は、助かったのはお前が己を忘れなかったからだと告げ、Aを夜明けの世界へ連れてゆく。兵士たちは裸のBの死骸を引きずってくる。

登場人物

冒頭部(原文より)

すべて背景を用いない。宦官が二人話しながら出て来る。  ――今月も生み月になっている妃が六人いるのですからね。身重になっているのを勘定したら何十人いるかわかりませんよ。  ――それは皆、相手がわからないのですか。  ――一人もわからないのです。一体妃たちは私たちよりほかに男の足ぶみの出来ない後宮にいるのですからそんな事の出来る訣はないのですがね。それでも月々子を生む妃があるのだから驚きます。

「青年と死」芥川龍之介(青空文庫)

末尾部(原文より)

兵卒が五六人でBの死骸を引ずって来る。死骸は裸、所々に創がある。

「青年と死」芥川龍之介(青空文庫)

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