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アヒルの庭で(アンデルセン)のあらすじ・登場人物

アヒルの庭の奥さま

  • 風刺
  • 翻訳

アンデルセン 訳者 矢崎源九郎 

文字数
7,401字
読了目安
約15分
表記
新字新仮名

この作品について

アンデルセンが1861年に発表した童話(原題「I Andegaarden」)を、矢崎源九郎が訳したもの(新潮文庫『人魚の姫 アンデルセン童話集Ⅰ』)。ポルトガル種のアヒルの奥さんを中心に、庭に落ちてきた歌うたいの小鳥と、アヒルやニワトリたちのおしゃべりを描く。血筋や教養を鼻にかけ、親切を口にしながら自分の都合しか見えない人々のふるまいを、鳥たちの声に託して皮肉に描いた風刺的な一編。

あらすじ

ポルトガルから来たアヒルの子孫の奥さんは、ポルトガル種の血筋を鼻にかけ、教養があると自負している。ある日、ネコにおそわれて羽を折った歌うたいの小鳥が庭に落ちてくる。奥さんは親切のつもりで小鳥に水をあびせ、ほかのアヒルや中国のメンドリたちも同情して集まる。小鳥は歌でお礼を言うが、奥さんは食後のひと休みを優先して、小鳥をそっけなくあしらう。しかし奥さんは眠りをじゃまされていらだち、小鳥の頭をつついて叱りつけ、小鳥はそのまま死んでしまう。奥さんは、これっぽっちで死ぬのは世の中にむかないと言い、自分にはこころがあると言い張る。ほかのアヒルたちも、こころがあるとくちぐちに言うが、おすのアヒルは、おもちゃの一つぐらいこわれても、まだいくらでもあると、えさのことを考えようと言う。

登場人物

冒頭部(原文より)

 ポルトガルから、一羽のアヒルがやってきました。もっとも、スペインからきたんだ、という人もありましたがね。でも、そんなことは、どっちでもいいのです。ともかく、そのアヒルは、ポルトガル種と呼ばれました。卵を生みましたが、やがて殺されて、料理されました。これが、そのアヒルの一生でした。  その卵から生れてきたものは、みんな、ポルトガル種と呼ばれました。ポルトガル種と言われるだけで、もうかなり重要なことなのです。  さて、この一家の中で、今このアヒルの庭にのこっているのは、たった一羽きりでした。ここは、アヒルの庭とはいっても、ニワトリたちもはいってきますし、オンドリなどは、いばりくさって歩きまわっていました。

「アヒルの庭で」アンデルセン(青空文庫)

末尾部(原文より)

「わたしたちは、こころを持っている」と、みんなは言いました。「それは、だれも、うそだとは言えない」 「こころ!」と、ポルトガル奥さんは言いました。「そうよ、わたしたちは、こころを持っているわ。――ちょうど、ポルトガルで持っているのと、同じくらいに」 「さあ、なにか食べ物でもひろうことを、考えようじゃないか」と、おすのアヒルが言いました。「そのほうが、ずっとだいじだからな。おもちゃの一つぐらい、こわれたって、そんなものは、まだいくらでもあるさ」

「アヒルの庭で」アンデルセン(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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