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赤いカブトムシ(江戸川乱歩)のあらすじ・登場人物

低学年向け少年探偵団の冒険

  • 冒険
  • ミステリ

江戸川乱歩 1958年(昭和33年)4月 「たのしい三年生」

文字数
23,250字
読了目安
約46分
表記
新字新仮名
種別
小説
舞台
  • 東京都

この作品について

江戸川乱歩が1958年(昭和33年)から翌年にかけて、児童雑誌「たのしい三年生」に連載した、少年探偵団ものの一編。低学年の読者に向けて書かれており、マンホールから黒マントの怪人があらわれる不気味な幕開けから、ルビーでできた「赤いカブトムシ」をめぐる宝さがしの冒険へと展開する。悪の天才「魔法博士」と、小林少年ひきいる少年探偵団、そして名探偵・明智小五郎との対決を、やさしい語り口とスピーディーな活劇で描く。乱歩晩年の、子どもたちへのあたたかなまなざしがうかがえる作品である。

あらすじ

ある日曜日の午後、小学三年生の丹下サト子ちゃんたち三人の女の子は、道のまん中でマンホールのふたがひとりでに持ち上がり、その下から黒マントに大きな眼鏡、はね上がった口ひげの、西洋の悪魔のような男があらわれるのを目撃する。少年探偵団員の兄を持つ一人にそそのかされ、三人はこわいもの見たさで男のあとをつけ、森の中の古い西洋館——お化け屋敷へとたどり着く。この怪しい男の正体は、悪の天才「魔法博士」。彼がねらうのは、ルビーでできた宝物「赤いカブトムシ」だった。事件を知った名探偵・明智小五郎と、小林芳雄少年ひきいる少年探偵団が立ち上がり、変装や仕掛けを駆使する魔法博士との、知恵くらべの追跡劇がくり広げられる。空飛ぶ魔人の風船を追ってヘリコプターで空中戦を演じるなど、手に汗にぎる冒険の果てに、少年たちはついに赤いカブトムシを取りもどす。敗れた魔法博士から「きみたちの勝ちだよ」と潔い電話が入り、小林少年は明智先生と顔を見合わせてにっこり笑うのだった。低学年の子どもたちを夢中にさせた、痛快な少年探偵団の物語である。

登場人物

冒頭部(原文より)

 あるにちよう日のごご、丹下サト子ちゃんと、木村ミドリちゃんと、野崎サユリちゃんの三人が、友だちのところへあそびに行ったかえりに、世田谷区のさびしい町を、手をつないで歩いていました。三人とも、小学校三年生のなかよしです。 「あらっ。」  サト子ちゃんが、なにを見たのか、ぎょっとしたようにたちどまりました。

「赤いカブトムシ」江戸川乱歩(青空文庫)

末尾部(原文より)

 あくる日、明智たんていじむしょの小林くんのところへ、でんわがかかってきました。まほうはかせからでした。 「きみたちの勝ちだよ。ルビーは、きみたちのものだ。いろいろ苦しめてすまなかったね。だが、あれは、きみたちのちえとゆうきをためすためだったのだよ……。しょうねんたんていだん、おめでとう。明智先生によろしく。」  小林くんはじゅわきをおくと、よこにたって聞いていた明智先生とかおを見あわせて、にっこりわらうのでした。

「赤いカブトムシ」江戸川乱歩(青空文庫)

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