天狗岩の殺人魔(山本周五郎)のあらすじ・登場人物
殺人鬼と探偵癖の青年
- ミステリ
- 冒険
- 文字数
- 8,681字
- 読了目安
- 約17分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
この作品について
山本周五郎が1938年(昭和13年)、「少年少女譚海」に発表した少年向けの探偵小説。「殺人鬼権六」が村へ潜入したという新聞記事に、村は恐怖に沸きたつ。探偵癖のある青年・祐吉が、脅迫事件の謎に挑む一編である。
あらすじ
「伯父さん大変だ、凄い記事ですぜ」——祐吉が新聞を振り回してとび込んでくる。「殺人鬼権六、当地へ潜入せり。銀行家宮橋多平氏脅迫さる」。脅迫状は五千円を要求し、村の住民は恐怖に動揺、警察も非常警戒にあたる。伯父・平野大造氏が「うるさい」と制するのをよそに、探偵癖のある青年・祐吉は、この殺人鬼をめぐる事件に首を突っ込んでいく。脅迫、そして錯綜する人間関係——やがて明らかになる真相は、意外なものだった。殺人鬼は、自分の仕掛けた罠と同じような結果になって、自らも死んだのだ。「自分のかけた罠、それと同じような結果に成って自分も死んだ……あの方が彼のためにも幸福でしょう」。伯父は「儂の一族から殺人犯を出さずに済んだ事も有難い」と胸をなでおろす。「しかし、遺産は要りませんよ」と、祐吉は朗らかに笑うのだった。探偵癖の青年が活躍する、少年向けの一編である。
登場人物
- 祐吉 探偵癖のある青年
- 平野大造 祐吉の伯父
- 殺人鬼権六 村を脅かす殺人鬼
冒頭部(原文より)
「伯父さん大変だ、凄い記事ですぜ」 扉を蹴放すような勢でとび込んで来た祐吉は、新聞を片手に振廻しながら、 「殺人鬼権六! 当地へ潜入せり、銀行家宮橋多平氏脅迫さる、脅迫状には五千円を要求しあり、当地住民は恐怖動揺を来し、警察当局もまた非常警戒に任じたり」
「天狗岩の殺人魔」山本周五郎(青空文庫)
末尾部(原文より)
「自分のかけた罠、それと同じような結果に成って自分も死んだ……あの方が彼のためにも幸福でしょう」 「そうだ、儂の一族から殺人犯を出さずに済んだ事も有難い、おまえの探偵癖が、こんなに役に立つとは思わなかったぞ」 「しかし、遺産は要りませんよ」 祐吉は朗かに笑った。
「天狗岩の殺人魔」山本周五郎(青空文庫)
原文を読む
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