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少年探偵団(江戸川乱歩)のあらすじ・登場人物

「黒い魔物」と少年たちの対決

  • ミステリ
  • 冒険

江戸川乱歩 1937年(昭和12年)1月 「少年倶楽部」

文字数
102,555字
読了目安
約3時間25分
表記
新字新仮名
種別
小説
舞台
  • 東京都

この作品について

「怪人二十面相」に続く、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズ第二作。1937年(昭和12年)に「少年倶楽部」へ連載された。全身墨を塗ったようにまっ黒で、闇の中から白い歯だけをむき出して笑う「黒い魔物」が東京をおびやかす。次々と起こる怪事件の裏にひそむのは、宿敵・怪人二十面相。名探偵明智小五郎と、小林少年をリーダーとする少年探偵団の少年たちが、勇気と機転で怪人に立ち向かう。暗号や尾行、変装やアジトの探索など、探偵ごっこにあこがれる子ども心を鷲づかみにする趣向が満載で、シリーズの人気を決定づけた一作である。

あらすじ

全身がまっ黒で、暗やみの中に白い歯だけを浮かべてケラケラ笑う——そんな気味の悪い「黒い魔物」の噂が、東京中に広まっていた。夜番の老人が板塀のようにまっ黒な人影におびえ、やがて魔物は子どもをさらいはじめる。事件の裏に、宝石や美術品をねらう宿敵・怪人二十面相の影があると見抜いた少年探偵団は、団長の小林芳雄少年を中心に立ち上がる。だが名探偵・明智小五郎は外国へ出かけて不在。少年たちは尾行や暗号、機転を武器に魔物の正体を追い、危険な罠に飛び込みながらも仲間の力で切り抜けていく。やがて帰国した明智が加わり、二十面相のアジトへと迫る。追いつめられた二十面相は、みずからの隠れ家もろとも大爆発を起こして最期をとげたかに見えるが、焼け跡からは賊の死体も、その部下たちの死体も、ついに見つからなかった——。変幻自在の怪人と少年たちの息づまる攻防を描き、シリーズの魅力を決定づけた痛快編である。

登場人物

冒頭部(原文より)

 そいつは全身、墨を塗ったような、おそろしくまっ黒なやつだということでした。 「黒い魔物」のうわさは、もう、東京中にひろがっていましたけれど、ふしぎにも、はっきり、そいつの正体を見きわめた人は、だれもありませんでした。  そいつは、暗やみの中へしか姿をあらわしませんので、何かしら、やみの中に、やみと同じ色のものが、もやもやと、うごめいていることはわかっても、それがどんな男であるか、あるいは女であるか、おとなのか子どもなのかさえ、はっきりとはわからないのだということです。

「少年探偵団」江戸川乱歩(青空文庫)

末尾部(原文より)

 このようにして、二十面相はさいごをとげたのでした。  火災が終わってから、焼けあとのとりしらべがおこなわれたのは申すまでもありません。しかし、二十面相がいったとおり、肉も骨もこっぱみじんにくだけ散ってしまったのか、ふしぎなことに怪盗の死がいはもちろん、三人の部下の死がいも、まったく、発見することができませんでした。

「少年探偵団」江戸川乱歩(青空文庫)

名文

そいつは全身、墨を塗ったような、おそろしくまっ黒なやつだということでした。

少年探偵団の冒頭、東京中に噂が広がる「黒い魔物」の正体不明ぶりを語る。子どもたちの冒険と怪人との対決の幕開け。

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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