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亡霊ホテル(山本周五郎)のあらすじ・登場人物

ホテルの亡霊に隠された間諜事件

  • ミステリ
  • 冒険

山本周五郎 1937年(昭和12年)11月 「新少年」

文字数
9,696字
読了目安
約19分
表記
新字新仮名
種別
小説

この作品について

山本周五郎が1937年(昭和12年)、「新少年」に発表した少年向けの探偵小説。あるホテルに出るという「亡霊」の噂の陰に、恐るべき間諜(スパイ)事件が隠されていた。博士の明晰な推理が光る、痛快な一編である。

あらすじ

伊藤豊治青年が泊まるホテルで、給仕が朝の珈琲を運んでくる。あまり機嫌のよくない伊藤青年——このホテルには、「亡霊」が出るという不気味な噂があった。だが、その噂の陰には、恐るべき企みが隠されていた。事件を解き明かすのは、明晰な頭脳を持つ博士である。博士は、給仕が訊かれもしないのに得々と亡霊の話をしたことから、「これは怪しい」と睨む。客商売の者が、客の厭がる亡霊の話をわざわざするはずがないからだ。さらに、みどりという女性の行方不明、ホテルの窓から見える聯隊の営舎、毎朝ロビーに来る三人の外国人——それらを結びつけて、博士は事件の正体が「間諜(スパイ)事件」であることを見抜く。亡霊の噂は、スパイ活動を隠すための煙幕だったのだ。「つまり奴等はやり過ぎたのさ」——不必要に亡霊を宣伝し、みどりを監禁したことが、かえって自らの罪を暴く緒口になった、と博士は結ぶ。少年読者に向けた、痛快なスパイ探偵ものである。

登場人物

冒頭部(原文より)

 伊藤豊治青年が洗面を済まして着換えをしているところへ、制服を着た給仕が朝の珈琲を運んで来た。 「お早うございます」 「ああお早う」 「好くお寝みになれましたか」

「亡霊ホテル」山本周五郎(青空文庫)

末尾部(原文より)

「つまり奴等はやり過ぎたのさ。不必要な場合に亡霊を宣伝し、また僕の研究の秘密を盗もうとして、折悪く来合せたみどりさんを檻禁した。この二つが自ら事件を暴く緒口を作ったようなもんだからなあ――諺に云わずや、それ、過ぎたるは及ばざるに如かず、とね、あははははは」

「亡霊ホテル」山本周五郎(青空文庫)

原文を読む

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