超人ニコラ(江戸川乱歩)のあらすじ・登場人物
空飛ぶ超人ニコラ博士
- ミステリ
- 冒険
- 文字数
- 81,255字
- 読了目安
- 約2時間43分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
- 舞台
- 東京都
この作品について
江戸川乱歩が光文社の月刊誌「少年」に1962年(昭和37)の1年間連載した、少年探偵団ものの長編。宝石王の息子とそっくりの顔をした「もうひとりの少年」の出現から始まり、人間の入れかえ、替え玉、空飛ぶ超人と、乱歩が得意とした二重身・変身の趣向が前面に出る。白ひげの老人「ニコラ博士」が率いる一味と、明智探偵・小林少年・少年探偵団との攻防を描く。晩年の連載として、少年物の定型を自在に使いこなした一作である。
あらすじ
宝石王・玉村銀之助の息子で中学一年の銀一は、友だちと見た映画の画面に、自分とまったく同じ顔の少年が映っているのに気づく。八幡さまの祭りで、友人はスリの少年を見たが、その子も銀一にそっくりだった。やがて窓の外にあらわれた自分そっくりの少年を追った銀一は、白ひげの老人「ニコラ博士」に捕らえられ、地底の牢獄に閉じこめられる。博士は十九世紀なかばの生まれだと語り、不老長寿の秘密を語る。数日後には、姉の光子さんも、人形のような顔の紳士に連れ去られ、玉村家には銀一と光子のにせものが入りこむ。銀座の店では、玉村銀之助本人にもにせ者がいれかえられ、ニコラ博士は日本じゅうの宝石を手に入れようとたくらむ。小林少年はこじき少年に変装して見はりを続けるが、ニコラ博士の手下に捕らえられ、替え玉の小林少年がかわりに少年探偵団に紛れこむ。さらに明智探偵まで一味の罠にかかり、にせの明智が現れる。しかし、一味の手伝いをしていた小林少年は、じつは牢屋のにせ者と入れかわっていた本物で、にせの明智を取り押さえる。月夜の空をスーパーマンのように飛んでくるニコラ博士は、明智のしかけで飛行用プロペラをこわされ、ヒノキの枝の上で明智と対決する。ニコラ博士の正体は怪人二十面相で、すみかの地下室に囚われていた人々は救出される。
登場人物
- 玉村銀一 宝石王の息子、中学一年生
- 玉村光子 銀一の姉
- 小林芳雄 少年探偵団の団長
- 明智小五郎 名探偵
- ニコラ博士 空を飛ぶ白ひげの怪人(二十面相)
冒頭部(原文より)
東京の銀座に大きな店をもち、宝石王といわれている玉村宝石店の主人、玉村銀之助さんのすまいは、渋谷区のしずかなやしき町にありました。 玉村さんの家庭には、奥さんと、ふたりの子どもがあります。ねえさんは光子といって高校一年生、弟は銀一といって中学一年生です。 あるとき、その玉村銀一君の身の上に、じつにふしぎなことがおこりました。それがこのお話の出発点になるのです。
「超人ニコラ」江戸川乱歩(青空文庫)
末尾部(原文より)
「いや、日ごろの明智先生の教えがなければ、なにもできなかったでしょう。やっぱり先生のおかげですよ。」 小林少年が、けんそんしていいました。それをきくと、十人の少年探偵団員が、口をそろえてさけびました。 「明智先生、ばんざあい……。」 「小林団長、ばんざあい……。」 そして、 「少年探偵団、ばんざあい……。」
「超人ニコラ」江戸川乱歩(青空文庫)
原文を読む
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