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デンデンムシノ カナシミ(新美南吉)のあらすじ・登場人物

背中の殻のカナシミ

  • 心理

新美南吉 1950年(昭和25年)6月

文字数
768字
読了目安
約2分
表記
旧字旧仮名

この作品について

背中の殻に悲しみがいっぱい詰まっていることに気づいたでんでん虫が、友だちを訪ね歩く——全文カタカナ書きの、原稿用紙二枚に満たない新美南吉の童話。幼い子にも大人にも同じ深さで届く。上皇后美智子さまが講演で紹介したことでも広く知られるようになった一編である。

あらすじ

一匹のでんでん虫がありました。ある日そのでんでん虫は、たいへんなことに気がつきます。「ワタシハ イママデ ウツカリシテ ヰタケレド、ワタシノ セナカノ カラノ ナカニハ カナシミガ イツパイ ツマツテ ヰルデハ ナイカ」。この悲しみはどうしたらよいのでしょう。でんでん虫は、お友だちのでんでん虫のところへ行って、「ワタシハ モウ イキテ ヰラレマセン」と訴えます。ところが友だちは答えました。「アナタバカリデハ アリマセン。ワタシノ セナカニモ カナシミハ イツパイデス」。それではしかたないと思って、はじめのでんでん虫は別の友だちのところへ行きます。するとその友だちも同じことを言いました。こうして友だちを順々にたずねていきましたが、どの友だちも同じことを言うのでありました。とうとう、はじめのでんでん虫は気がつきます。「カナシミハ ダレデモ モツテ ヰルノダ。ワタシバカリデハ ナイノダ。ワタシハ ワタシノ カナシミヲ コラヘテ イカナキヤ ナラナイ」。そして、このでんでん虫はもう、なげくのをやめたのであります。

登場人物

冒頭部(原文より)

 イツピキノ デンデンムシガ アリマシタ。  アル ヒ ソノ デンデンムシハ タイヘンナ コトニ キガ ツキマシタ。 「ワタシハ イママデ ウツカリシテ ヰタケレド、ワタシノ セナカノ カラノ ナカニハ カナシミガ イツパイ ツマツテ ヰルデハ ナイカ」  コノ カナシミハ ドウ シタラ ヨイデセウ。

「デンデンムシノ カナシミ」新美南吉(青空文庫)

末尾部(原文より)

 トウトウ ハジメノ デンデンムシハ キガ ツキマシタ。 「カナシミハ ダレデモ モツテ ヰルノダ。ワタシバカリデハ ナイノダ。ワタシハ ワタシノ カナシミヲ コラヘテ イカナキヤ ナラナイ」  ソシテ、コノ デンデンムシハ モウ、ナゲクノヲ ヤメタノデ アリマス。

「デンデンムシノ カナシミ」新美南吉(青空文庫)

名文

「カナシミハ ダレデモ モツテ ヰルノダ。ワタシバカリデハ ナイノダ。ワタシハ ワタシノ カナシミヲ コラヘテ イカナキヤ ナラナイ」  ソシテ、コノ デンデンムシハ モウ、ナゲクノヲ ヤメタノデ アリマス。

背中の殻に悲しみが詰まっていると嘆いたデンデンムシが、友だちを訪ね歩いた末に気づく結末。1998年の国際児童図書評議会(IBBY)世界大会の基調講演で、美智子皇后(当時)が紹介したことでも知られる。

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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