二ひきの蛙(新美南吉)のあらすじ・登場人物
色をののしりあう二ひきの蛙
- 幻想
- 文字数
- 958字
- 読了目安
- 約2分
- 表記
- 新字新仮名
この作品について
「ごんぎつね」の新美南吉による、原稿用紙数枚の小さな童話。色のちがいをののしりあってけんかを始めた緑の蛙と黄色の蛙の物語。南吉らしいユーモアと優しさに満ちた寓話である。
あらすじ
緑の蛙と黄色の蛙が、はたけのまんなかでばったり出会った。「やあ、きみは黄色だね。きたない色だ」と緑の蛙が言えば、「きみは緑だね。きみはじぶんを美しいと思っているのかね」と黄色の蛙が返す。こんなふうに話しあっていて、よいことが起こるはずもない。二匹はとうとうけんかを始めた。緑の蛙はとびかかり、黄色の蛙は後ろ足で砂をけとばす。そこへ寒い風が吹いてきて、二匹はもうすぐ冬が来ることを思い出した。「春になったら、このけんかの勝負をつける」と言い置いて、それぞれ土にもぐる。北風が吹き、霜柱が立ち、やがて春がめぐってきた。背中の上の土があたたかくなり、目をさました二匹は土の上へ出る。「去年のけんか、わすれたか」「待て待て。からだの土をあらいおとしてからにしようぜ」——池には新しくわきでた、ラムネのようにすがすがしい水がたたえられていた。とぶんとぶんと飛びこんで体を洗ってから、緑の蛙が目をぱちくりさせて言った。「やあ、きみの黄色は美しい」。「そういえば、きみの緑だってすばらしいよ」。そこで二匹は「もうけんかはよそう」と言いあった。よくねむったあとでは、人間でも蛙でも、きげんがよくなるものであります。
登場人物
- 緑の蛙 とびかかるのが得意な蛙
- 黄色の蛙 後ろ足で砂をけとばす蛙
冒頭部(原文より)
緑の蛙と黄色の蛙が、はたけのまんなかでばったりゆきあいました。 「やあ、きみは黄色だね。きたない色だ。」 と緑の蛙がいいました。 「きみは緑だね。きみはじぶんを美しいと思っているのかね。」 と黄色の蛙がいいました。 こんなふうに話しあっていると、よいことは起こりません。二ひきの蛙はとうとうけんかをはじめました。
「二ひきの蛙」新美南吉(青空文庫)
末尾部(原文より)
からだをあらってから緑の蛙が目をぱちくりさせて、 「やあ、きみの黄色は美しい。」 といいました。 「そういえば、きみの緑だってすばらしいよ。」 と黄色の蛙がいいました。 そこで二ひきの蛙は、 「もうけんかはよそう。」 といいあいました。 よくねむったあとでは、人間でも蛙でも、きげんがよくなるものであります。
「二ひきの蛙」新美南吉(青空文庫)
原文を読む
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